「あなたは 気づいてない」嫌われる話題と態度

どんなに良い提案をしても、知識を持っていても、顧問先から評価されない会計事務所職員がいます。しかし、意外に本人がその原因に気付いていない場合が多いようです。事務所の仲間が教えてあげればよいのですが、現場を見ていないこともあって、なかなか指摘しにくいことでもあります。今回は、職員のどんな話し方が嫌われるか、実際に私達が企業経営者から聞いた事を整理した事についてご紹介します。

〈1〉支持政党、支持宗教に関する自分の考えの一方的な説明

 政治と宗教の話は微妙な問題です。どの考えが正しいかは、価値観の問題であり、絶対はありません。例えば、自分が指示する政党が自民党だとしても、先方の経営者がそうだとは限りません。政党の批判はしない事です。また、支持政党はいなくても、支持議員はいるかもしれません。批判がエスカレートしない為にも触れない事です。ましてや、宗教については絶対禁句と思って間違いありません。自分が絶対嫌いな宗教があっても、入信している宗教があっても触れないことです。

 

〈2〉正確な情報ではないのに、表面的な知識で話す投資や事例

 あまり世情に疎い経営者は、会計事務所職員は会計業務だけでなく、金融知識もあると思っている人もいます。職員が生半可な知識で、投資信託や金融関係の情報を入れると、鵜呑みにして実際に行動するケースがあります。これも世間話範囲なら結構ですが、あまり触れる話題ではありません。

 

〈3〉自分の関与先の固有の情報の漏洩

 全ての顧問先に情報については守秘義務があります。軽率に固有名詞や固有戦略を話せば、機密漏えいにもつながります。一般論なら結構ですが、少し踏み込んだ内容の固有名詞は避けるべきです。

 

〈4〉社員の面前で、社長を否定するような表現

 例えば、経営者の奥さんや一族と話しているとします。仮に経営者の話している事がピントズレした事であっても、「社長はそれは違いますよ」と断定口調でも否定話法は言われた方は、面子が潰れた格好になります。まだマンツーマンで経営者と話している時なら構わない事もありますが、第3者がいるときは、全面否定するような表現は避けましょう。

 

〈5〉紛糾した話の中で、どちらかに肩入れした表現

 経営方針をめぐって、経営者と奥さんが口論したとします。職員は仲裁機能も必要ですが、どちらが正しいかは別にして、どちらか一方に肩入れするような表現もよくありません。肩入れされた方はうなずくでしょうが、反対の方は、職員と意見の相違が顕在化して、その後の付き合いにも支障をきたします。反対側も立てながら、やんわり肩入れする事が必要です。

 

〈6〉自分では分からない質問になると「分かりません」とそっけない対応をし、冷たい雰囲気の会話

 誰でも自分の得意分野以外の質問が来ると回答に困ります。しかし、経営者の質問は多岐に渡ります。そんな時知らないからと言って、そっけない態度は取らず、分からないでも「それはどうしてですか?」等と興味がある姿勢を示す事が必要です。

 

〈7〉相手の話をあまり聴かずに、自分が話す時間が長い。

 ピント外れな「答え」を一方的にしゃべる 話しが長い人は、自分の話が長いと感じていませんから、余計たちが悪いようです。最近の流行語ではKY(空気読めない)と言う事でしょう。得意満面で話しているとそのように見られます。

 

〈8〉正しい事を言っている割には、会話に柔らさや寛容さがなく、「単刀直入」・「全面否定」・「つっけんどん」等

 これは、その人の「幅」の問題でもあります。社会常識を備えた人ならそんな問題で苦慮する事はありませんが、真面目だけど堅い人には良く表れる兆候です。これも日頃からの意識と所内での教育が必要です。

 

〈9〉先方が真剣になって相談している最中に、時計を見て時間を気にする仕草

 正直監査先で時間オーバーして『早く帰りたい』と思う事は多いでしょう。しかし、経営者が重要な話をしている最中に、時計を気にする姿は大変失礼です。最初から時計が見えるようなポジションに座るとか、あらかじめ時計や携帯を見えるように置くなどの工夫をしておくことです。

 

〈10〉先方が話し終わっていないのに、途中で会話をさえぎり、自分の話をする

 これは、会話の原則が分かってない証拠です。職員たるもの、先ず相手の話を聴き終えて意見を述べる事を原則として欲しいものです。

 

〈11〉話している相手の目を見ずに聞いている

 これも失礼な話です。かならず相手の眼を見て話す習慣をつけましょう。

 

〈12〉相手の話にイチイチうなづいたり、あいづちも打たず、黙って聞いている

 これは相手は顧問先であろうがなかろうが、不愉快な聴き方です。反応がないと話す方の意欲が減退します。話しやすい職員になる事が第3者から好かれる第一条件です。

この12の悪い姿勢は、会計事務所職員以前の問題ばかりです。大人として問題がある人でしょう。人様の会社の監査や指導をする立場の会計事務所職員は、ある意味もっと高いレベルの人格が求められているようです。先ずは話し方から変えていきましょう。

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