その会計事務所は、一般にあるように認定支援機関として経営改善計画書を支援しています。しかし、多くの会計事務所が作るような数値と総論の経営改善計画書ではありません。「勝つ残る明確なUSP(独自のウリ。差別化)」を入れることを前提にしています。USPとは、ユニークセリングプロポジション、すなわち「独自のPRポイントであったり、他社との差別化ポイント」です。
今でも業績が悪く、金融機関から支援を求めなければならない企業の経営改善の戦略が現状の延長線上にあるなら、その企業は恐らく改善しないでしょう。また、今の経営資源も活用しないシナジー効果も関連性も全くない新規事業で収支を合わせる対策など言語道断。今までもできてないのに、更にできもしないような戦略でカタチばかりの収支を作るのも、無理な計画でしょう。
そこで、どの企業もUSPがあれば、収支が改善する確率が上がるのですが、この分析を会計事務所の経営改善計画書支援は、しないのです。と言うか、できないのです。だから、モニタリングをすると、早い段階で計画通りに行かず、いきなり挫折するのです。
ではどうすればUSPが生まれるか?私がコンサルティングしている事務所にはSWOT分析が出来る職員育成に注力しています。SWOT分析なら顧客ニーズ(いろいろな角度から見た)USPを導き出しやすくなります。確かにSWOT分析経験豊富な人は、USPの出し方も上手ですが経験の少ない職員も、基本とポイントを押さえれば、それなりにUSPを導き出せるような指導ができます。SWOT分析を上手く使って経営改善計画書を作れば、初期段階でUSPを利用した突破口作戦を立てることができます。
突破口作戦とは、一番最初に着手し、他の要素までプラスに影響する具体策です。経営改善計画書のモニタリングにおいて、当初はこの突破口作戦のPDCAが重要です。初期段階で、経費削減ばかり話していると、経営改善どころから、更にその企業は失速してしまいます。
もっと多くの事務所でSWOT分析ツールを使えるようになって欲しいですね。