大学の教授に「コンサルティング現場」を見て頂いた結果…
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
2023年年末に、2つの大学の経済学部の教授2名が、私のクライアントの1日会議に同席しました。
教授たちの研究の一環ということで協力させていただきました。
オーダーとして「実際のコンサルティング現場や会議指導現場では、どんな指導をしているのか、リアルを見たい」ということでした。
この両教授は会計業界にも造詣が深く、税理士のMAS監査の現場にもいろいろ立ち会っている方々です。
先方の経営者にも承諾を貰い、ちょうど12月決算ということもあり、2024年度商材計画の具体策づくりの場に同席頂きました。
そこで2人の教授たちが見たものは・・・
1,A教授の感想
挨拶から始まって、挨拶で終わるのは印象的でした。
部活の試合のような感じでしたが、そう考えると会議そのものが試合のようなものなのかもしれないと思えてきました。
社長は業務の細かいところまでよくご存じのようですが、それでいて幹部の人たちに任せるところは任せていて、よくバランスがとれている印象でした。
部長代理の息子さんは張り切っている印象で、まだ会社に戻られて時間が経たないのによく会社のことがわかっているなと思いました。
会議でも積極的に発言されていましたが、他の幹部の方はそれほどでもなかったので、息子さんが戻ってくる前はどんな幹部会議だったのかは少し気になりました。
「会議指導で垣間見たプロコンの技術やスキル」について
●「目標数字はどうするのか?」
●「そのために何に注力するのか?」
●「それはいつまでに実行するのか?」
●「それは本当に達成できるのか?」
●「なぜ達成が難しいのか?」
などなど、経営計画のつくり込みに必要な内容を聞き出していくところです。
また、「聞く」ための予備知識として仕入先、販売先、販売経路、製造工程について具体的に理解されているところもすごいと思いました。
「他のコンサルや税理士のMAS指導の現場と何が違うか」について
いろいろな違いがあると思いますが、今回一番感じたのは、会議そのものが指導の成果になっていることです。
税理士の場合は、どうしても会議前に用意したもので指導していこうとするケースが多いと感じています。
それに対して、会議の進行もそうですし、進行しながら画面上に経営計画が出来上がっていくことで、クライアントも指導の成果を実感できているように思います。
ご自身の研究にどう活かせそうか
会計専門家が求められる役割(今回のような会議指導を含めた経営支援)にどのように応えていくか(応えていくときにSWOTやBSCをどのように活用するか)が研究テーマです。
今回の会議指導を見学して、一つのあるべき姿がみえてきたと思います。
そこにどうやってたどり着くかはまだ模索中ですが、あるべき姿がみえてきたことで、何が足りないのかの手がかりがつかめそうです。
2,B教授の感想
非常に興味深く、楽しい1日でした。
クライアントさん自体も戦略上の選択肢が非常に多くある優良企業だと感じましたし、嶋田先生のコンサルティング手法も拝見することができて、とても勉強になりました。
クライアントさんも嶋田先生も両方魅力的だったので、尚更楽しく感じたのだと思います。
「会議指導で垣間見たプロコンの技術やスキル」について
クライアントさんが垂直的・水平的に活発な議論がなされているのは、嶋田先生の手腕だと思いました。
適切な問いを投げかけることと、これまでに構築したと思われる信頼関係が率直に議論できる場を作っているように感じました。
また、嶋田先生が議事録を作って形に残すことで、参加者が何らかの結論まで到達するように促すことができているようにも見えました。
「他のコンサルや税理士のMAS指導の現場と何が違うか」について
組織の財務成果の源泉を、生産性の改善と収益性の向上に分けるとしたら、会計系の指導は財務分析に基づくことが多く、生産性の改善、特に原価削減に偏ることが多いように思います。
収益性についても、会計知識に基づいて議論する現場では、どの顧客の収益性が高いかという分析に基づいて指導する傾向があると思います。
嶋田先生の場合は、参加者にまず発言をさせ、その根拠として数値の確認をされているように見えました。
おそらく参加者自身が、複数ある選択肢の中からやるべきことの区分と、その根拠を実感を持って理解することができるのではないかと思いました。
参加者の論理的な思考能力を育成することができるように思います。
ご自身の研究にどう活かせそうか
A教授と現在扱っているテーマが、コンサルティングを行う主体の知見や進め方の違いに関連するところなので、嶋田先生の指導の仕方と、それに対するクライアントさんの反応を拝見することができたのはとても勉強になりました。
若山先生が、嶋田先生に学びたいと思われたのがよくわかりました。
今後の整理にぜひ活かして参りたいと存じます。
嶋田先生には大変お世話になりありがとうございました。
面白いところで退席することになり残念でしたが、本当に充実した調査ができました。
心よりお礼を申し上げます。
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