嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

コンサルタントが偉そうに指導しない経営計画書支援とは?

ある会計事務所の職員との会話です。「嶋田先生、経営計画書って、正直あまり楽しい仕事ではありませんね。事務所の方針なのは分かるし、金融機関から必要性があるのも分かる。でも、数字の帳尻合わせで、赤字にならない利益計画になっても、先方の社長も私も何かしっくりこないんですよ。具体的な戦略も相手から出て来ないし…」

この職員は本音でしょうね。

会計事務所がいくら声高に、【経営計画書を顧問先社長と一緒につくろう】と言っても、職員がこんな感じなら、多くの経営計画書は形式ばかりにものになるでしょう。形式の経営計画書の指導なら、中小企業の経営者もそれを本気でやろうという気にはならないですね。あなたもそう思いませんか?でも、私は「経営計画書作成コンサルティング」が好きですね。

何故か?

それは「目標と現実のギャップを埋める差額対策」を経営者と一緒に考え、アイデアや、作戦をねん出できるからです。

決して、私が作戦や戦略を全て考え、提案しているのではありません。私が経営計画書作成現場で行っているのは、経営者や幹部に対する「質問とヒント」だけです。その企業の経営経験もないコンサルタントふぜいが、その企業の必要な戦略、作戦を熟知している筈がありません。 訳知り顔で、「あなたの会社の戦略はこうあるべきだ」と偉そうにいうコンサルタントもどきが、たまにいますが、ナンセンスです。

コンサルタントはクライアント企業の経営者や幹部から、その企業の実態にあった戦略や作戦を引きだす為の「質問とヒント」を出すだけなんです。それは、別名「気づきを与える」と言えるかも知れません。話しを戻しましょう。

ある企業の経営計画書作成段階の話しです。

売上目標が5億円とします。しかし、現実的には今の商品、顧客、社内体制で、普通に努力しても4億円しかいかない。すると差額は1億円です。そこで、この1億円をねん出する為に、様々な質問やヒントを出します。 例えば、

●今の商品で少しでも売れ行きが向上している顧客はどこか。そのやり方を横展開、他地域に拡げたら、どれ位増えそうか

●今の商品に何を追加したり、変更をすれば、もっと増えそうか

●価格を5~10%上げるには、どういう相手が納得する理屈がいるか、または受け入れてくれればいくら増えるか

●今の顧客以外にどこのチャネルに、どんな提案をすれば増えそうか

●間接営業をどうすれば、もっと増えるか

等々

こういう質問多種多様、投げかけて『可能性』を探ります。そして、「○○をどこどこに、いくらで売ると言う、差額対策を1つずつ積み上げて、1億円の根拠」を作ります。当然、来年度だけではムリとなれば、中期計画の中で実現できる戦略と業績予想を決めます。

これは売上だけですが、粗利益をベースに考えると、これに原価対策や商品・顧客の取捨選択なども加わり、少し複雑になっていきます。しかし、最終的には何らかの差額対策を作る訳です。この作業は本当のクリエイティブで、面白いものです。これが面白いと感じたら、「経営計画書作成支援」も好きになりますね。

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