何故、この会社は事業承継が上手くいかなかったのか
35年間の経営コンサルタント経験の中で、これまで25社の事業承継前後の企業を10年以上に渡り、長期経営顧問をしてきた。 幸い、この22社はいろいろな課題がある中でも、後継者に無事バトンタッチがされ、その後も継続して経営を進めている。 しかし、事業承継が失敗したり、途中で頓挫したり、はたまた会長になったはずの経営者が返り咲きして「超高齢の経営者」となり、企業に覇気がなくなったり・・・そんな事例はあちこちにあるものだ。 この書籍では、経営承継が上手く行かなった事例とその原因を分析して、「同じ轍を踏まない」経営承継をする為のヒントを得て頂こうと考えている。
事業承継をビジネスチャンスにしている税理士、生保営業、金融機関、ファイナンシャルプランナー、財務コンサルタントは、相続税対策、相続資金、株対策などの「カネ」に関するアドバイスが中心である。 しかし、実際の事業承継では、
- 後継者へ承継後に業績が出せるのか
- 後継者と古参幹部が上手くいくのか
- 後継者時代の新たな経営戦略はどうすべきか
- 会長になった経営者と新社長の職務権限移譲は上手くいくのか
- 後継者と同族役員の関係はどうなるのか
など、「非財務」「非相続税」的な課題が頭をもたげてくる。 この「経営承継失敗物語」は、そういう点をフォーカスして、 「どんな準備をしていれば、そのような問題を防げたか」 「どんな対策を同時進行していれば、そこまで問題にならなかったか」 等を具体的にご紹介しよう。
この事例は私が直接経験した事、またコンサルティング契約はしてなかったが、事情をよく知っている事例、また知人のコンサルタントが直に経験した事である。
「事実は小説よりも奇なり」かも。
本書の目次
- 何故、その会社は承継後に業績悪化になったのか(内装建具)
- 何故、その会社は承継後に内紛、取締役の造反がおこったのか(金属加工業)
- 何故、やる気があった後継者が親元に帰った後、退職してしまったのか(飲食店)
- 何故、その会社は兄弟経営で失敗したのか(照明器具)
- 何故、その会社は息子が継ぎたくないと言ったのか(町の印刷会社)
- 『経営承継前に、オーナー社長がやるべき50のチェックリストとヒント』
6番目に、実際に我々が経営承継10か年カレンダーをコンサルティングする際に、経営者のヒアリングしている、【社外秘のノウハウ『経営承継前に、オーナー社長がやるべき50のチェックリストとヒント』】 を今回は特別に掲載している。