SWOT分析シートの添削で分かった「使えない表現」とは?
SWOT分析を学ぶ、現場に活かす為には、やはり場数が必要です。しかし、ただ闇雲に場数を踏んでも、なかなか上手にコンサルティングできないかもしれません。SWOT分析検討会や研修でいかに白熱した議論をしたとしても、そのアウトプットであるSWOT分析シートを見れば、どういう議論になったか、掘り下げ不足かがある程度分かります。当社の有料サービスの中で、コンサルタントや会計事務所職員が行った「SWOT分析」の結果のシートを添削し、アドバイスを行うというものがあります。そこで、どんなSWOT分析シートの書き方が多いのか、それをどうすれば、中身のあるものにできるのか、改めてご紹介したいと思います。
1、機会、強みが、メモ書きのように単語が羅列されている
SWOT分析検討中に、いろいろな意見が出て、それをメモとして、「SWOT分析シート」に記載する事は多々あります。ただ、主語も述語も分からない単語の羅列で、そのまま議論しているなら、クロス分析である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」のあぶり出しは、相当苦労する可能性があります。それは、「機会」「強み」の欄に、メモ書きとして単語を羅列しても、その議論の最中は、意味も分かっているでしょうが、いろいろな議論をする内に、その単語メモの意味や、その言葉が出た背景が分からなくなります。
すると、クロス分析にも直接使えない「機会」「強み」になってしまうのです。ココでの答えは、メモ書きしても、その場で主語述語の入った箇条書きに整理する事です。もし、コンサルタントや会計事務所職員では分からない専門的なワードだったら、聞き直し、参加者から丁寧に言ってもらう事を忘れてはいけません。
2、普通名詞を固有名詞に書き換える
「積極戦略」などのクロス分析が、抽象的場理由は、「機会」「強み」のワード自体が、抽象論だったり、普通名詞が多いからです。普通名詞と固有名詞の違いを意識して、議論してもらわないと、後々困る事になります。逆説的ですが、固有名詞が分かれば、それ以外が普通名詞になります。
例えば、「機会」において、「〇〇業界が伸びる可能性がある」と表現します。この「〇〇業界」は固有名詞と思っている人がいます。実は、これはまだ普通名詞なんです。業界というのは広く、ターゲットが絞りにくいので、その後の「積極戦略」の具体策も表面的になる可能性があります。
では、「〇〇業界」を固有名詞にした場合、どういうところまで掘り下げた表現にすべきか?固有名詞なら、こんな表現になりす。「〇〇業界の、X地域で、Yというテーマを抱えいる企業は、Zというニーズが高まる」ここまで、掘り下げれば、「強み」をぶつける時、イメージが湧きやすいですね。
3、「機会」「強み」の単品の補足表現で「積極戦略」を書かない
これもよくみられる傾向です。「機会」の一部分のみをフォーカスして、その表現に少しだけ補足したのを「積極戦略」」に記入しているのもあります。また、「機会」が弱いせいか、特定の「強み」ばかりをフォーカスして、「積極戦略」にしている場合もあります。いずれも、良くない事例です。
SWOTクロス分析と言われるように、SWOT分析の肝は、クロス分析である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」にあります。だから、「機会」「強み」の単独の表現で、具体的な戦略は立てられないし、それでは「SWOT分析」とは言えない訳です。
4、クロス分析は掛け算の表現にする
クロス分析の基本は「掛け算」です。「積極戦略」の場合、「機会」の何番と何番、それに使える「強み」の何番と何番を掛け合わせると、「〇〇業界の、〇〇がテーマの業種に対して、〇〇のツールと使い、〇〇の仕掛けを行う」のような表現を意識して欲しいですね。
この「掛け算」のロジックを使わないと、相手も「何故、その分野のターゲットを攻めて、自社が優位になるのか」イメージが湧きません。この掛け算の作業時に、SWOT分析検討会の参加者は、論理的にイメージが湧いてくるのです。これをコンサルタントや会計事務所職員がファシリテーターとして、参加者に議論してもらう事で、自ら気づき、自ら結論へ結び付けて貰うように推進します。
このように「SWOT分析シート」は、その検討会のアウトですから、そのアウトプットを見れば、検討会自体がどのレベルだったか、おおよそ判断できる訳です。
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