SWOTクロス分析の良し悪しを決める基準
SWOT分析は誰でもできます。しかし、こういうメソッドは行う人によって大きく差が出る分析手法ともいえます。極端な事を言えば、SWOT分析をコーディネートした人(コンサルタントや税理士、経営者等)の成果とは、それを受けたクライアント(企業経営者や幹部等)が『良かった』と言われれば、それでOKでしょう。
ただ、そんな大雑把な事を言われても、多くの読者は「だから、どうしたらいいんだよ」と言いたくなるますよね。そこで、今回は、私なりの「SWOT分析の良し悪しの基準」を整理したいと思います。
1、クロス分析の各戦略は実行可能なものかどうか
SWOTクロス分析の結果、クライアントが不満に思う事の上位に「だから、うちの経営資源ではそんな大手のような戦略が最初からできないんだよ」という事です。
実現可能な戦略であり、そこそこ差別化されている戦略であり、将来に少しでも可能性や期待が持てる戦略や伊津部戦術が、良い「SWOTクロス分析」の結果と言えます。だから「業界の常識的な戦略」を、さも「これしかない戦略」みたいに言われると、経営者は不満に思うのです。
2、クロス分析の各戦略をおおよそのおカネに換算できるか
私たちがクロス分析から各戦略を出す時、なるべく「その戦略をした結果、どんな数値が可能か」を予測するように検討します。例えば新たな戦略商品を決めた場合、だいたいの単価は、粗利は、どこに売って年間数量は、大きく売るならどういうチャネルでどんな売り方で…などの数値と関連施策を確認します。「致命傷回避撤退縮小戦略」なら、それにかかる短期経費はいくら位で、コスト効果は3年間でどれくらい期待できるかも概算に入れます。
そうしないと、経営者はその戦略への期待度や集中度が多いく変わってくるからです。経営者は「戦略が数値で期待できると分かると、徹底する」傾向があるからです。
3、ニッチ市場とニッチカテゴリーへの戦略が具体的か
SWOTクロス分析の目的は、極端に言えば、「自社の経営資源や強みを最大限に活かし、勝てそうなニッチ市場・ニッチカテゴリーにそれをぶつける事」と言えます。
だから、
- 「積極戦略」や「改善戦略」が「ニッチ市場・ニッチカテゴリー」になっているか、
- そしてその戦略を実現するメソッドが具体的か、
これが重要になってきます。
4、SWOT分析検討会後、経営者・幹部が明るく自信を持ったか
議論した戦略が具体的で、実現可能で、今後の収支改善にプラスになるなら、SWOT分析検討会後に、経営者も幹部も明るい表情になります。それは、自社へ期待が持てるからです。
しかし、
「なかなか難しい」
「そんなに簡単にできない」
「自社では重い戦略だ」
等と本音が強ければ、検討会後も渋い表情になっています。
私たちがSWOT分析の良し悪しを判断する時、いくらコンサルタント側が「この戦略しかない」と意気込んでも、当事者であるクライアントの経営者や幹部が「そう思ってない」なら、行動しないし、結果も出ません。だから、SWOT分析検討会では、クライアントの自信を持たせる事を意識する事は、非常に重要なポイントと言えるのです。
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