後継者に責任感を持たせるSWOT分析

私たちのこれまでのSWOT分析に実績数を合計すれば、200は優に超えています。そのうちの約80%は、後継者も交えたSWOT分析なんです。現経営者(先代社長)は、過去の経験則に基づいた「リアルな戦略」を求めがちです。しかし、後継者は次代のニーズや業界の変化を加味した「未来の戦略」の眼が行きがちです。

SWOT分析は、そのどちらの要素も多角的に議論して、結果的に「未来につながる戦略」を見出すわけです。後継者中心に、時代にあった戦略で、後継者が責任を持つ戦略を導き出す、これを「SWOT分析」から捻出していくわけです。

後継者には論理的なビジョンが必要

現社長や先代社長の中には、

  • 「この業界はこういうものだ」
  • 「そんな雲をつかむような戦略は儲からない」
  • 「先ずは一生懸命に努力する気持ちが大事だ」
  • 「先頭に立って頑張らずに理屈だけで経営は上手くいかない」等々

まさにおっしゃる通りです。当然、後継者もそういう姿勢が大事な事は分かっている筈です。しかし、それと同じくらい、いやそれ以上に「今後も儲ける理由」を求めています。「努力すれば業績が上がる」だけではなく、「どういう努力が業績に直結するか」の戦略を具体的に、論理的に欲しい訳です。それが、企業のビジョンだったり、中期経営戦略だったりするのです。

任せる側の先代も「後継者の戦略」に理屈があっていないと不安

権限移譲する側の現社長や先代社長も、もしこんな後継者なら、不安になります。

  • 「これと言った具体的な戦略もなく、従業員のガンバリズムを期待している」
  • 「自分(先代社長)の時代のやり方を踏襲して、新たな戦略のアイデアがない」
  • 「思い付きや思い込みで、いろいろなアイデアを言う」
  • 「規模も経営資源も違う大手やライバルのやり方を真似ようとする」

経験や勘でうまくいく時代ではありません。何をするにも、理由と根拠を明示しなければならない時代です。しかも、「勝ち残る為の戦略」ですから、自社の経営資源を見たうえで、妥当性のある戦略を見出す事が必要です。 だから、おのずと規模も経営資源もかけ離れた「大手や同業者と同じような戦略」は取れないのです。

後継者中心にSWOT分析し、その責任を取らせる

これまで多くの企業で取り組んで来たのは、「後継者中心のSWOT分析」です。この検討会では、後継者や今後の若手で検討し、現社長や先代社長、古参幹部は参加しない場合が多いです。現社長や先代社長には不安もあります。

  • 「経験や現実の知識があまりない、若手中心でリアルな戦略が見いだせるだろうか」
  • 「絵に描いた餅のような、荒唐無稽な議論をしないだろうか」
  • 「理想論ばかり、又は現実論ばかりに偏重しないだろうか」 などと。

しかし、後継者中心に若手で議論させた結果、出た結論なら、それを実行させて、責任を取らせるべきだと思います。 自分たちで決めた戦略なら、本気にもなるからです。但し、彼らが立てた戦略が、最初から大きな投資が必要な戦略は要注意ですが。

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