嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

経営総合SWOT分析はやるな!セグメント別SWOT分析なら効果的な理由

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、経営理念浸透型人事評価、事業承継の「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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SWOT分析はいろいろな場面で活用できますが、その使い方次第ではあまり効果がないこともしばしば。

その代表的な効果のないSWOT分析が、「経営総合SWOT分析」です。

これは、事業が複数あったり、商材も客先もカテゴリーが違うのに、十把一絡げで経営総合としてSWOT分析をしてしまうことです。

この考え方で行うと、浅くて表面をなぞるだけのSWOT分析に終始してしまいます。

経営総合SWOT分析をやると何故効果がないのか?

それは「味噌もくそも一緒にしたなんだかよく分からないSWOT分析になるから」です。

ではセグメント別SWOT分析とはどういうものか?

1,取扱商材の方向性が違うならSWOT分析は分ける 

ある機械部品工具の問屋があるとします。

ある部署では工場向けの機会や部品を取り扱い、ユーザーも製造業です。

またある部署では建設現場向けの工具や消耗品を取り扱い、ユーザーは建設業です。

このように取扱商品もユーザー先も異なる中小企業においては、ユーザーの意向次第で「強み」も「機会」も異なります。

ましてやクロス分析である「積極戦略」では、特定製造業にも建設業にもどちらにも有効なUSP(独自のウリ)や具体策がでる事はありません

SWOT分析はマーケットニーズによって戦略を決めるツールです。

だからニーズが違う商材を取り扱うから、ごちゃ混ぜにしてはいけないということです。

 

2,取引顧客の属性が違うならSWOT分析は分ける

では同じ商材だけど、売り先が違うケースの場合はどうか。

例えば、食品製造販売業のケースでスーパーやディスカッション店などの量販店に卸したり直販しているケースと、飲食店や給食事業者へ販売する「業務用販売」のケースです。

取扱商品は同じだから、ついつい「経営総合SWOT分析」をしがちです。

しかしここも要注意。それは量販店のニーズと業務用販売のニーズは違うはずです。

ニーズが違う客先の属性を無理やり一つの「強み分析」や「機会分析」をしても、やはりクロス分析である「積極戦略」はピンポイントには決まりません。

販売先のカテゴリーを分けは属性を最初によく把握してから「経営総合SWOT分析」なのか「セグメント別SWOT分析」なのかを判断します。

 

3,事業部が複数あるなら事業部別にSWOT分析をする

以前、大手企業の生産子会社のSWOT分析を研修をしました。

そこは製造ラインが半導体関連から資源関連、機械構造部品関連を多岐にわたっていました。

そして販売先は親会社の上場企業の各事業部なので、同じ会社なのに作る製品も売り先も違う状態でした。

つまり商社や事業部制度を取っている企業の場合は、事業部別に進めないと上手く行きません。

これもごちゃ混ぜにしてしまうと「強み分析」「機会分析」の中身が全く違うので、共通している社内の仕組みや人材などの概念的な「強み分析」や「積極戦略」になってしまいます。

 

4,異事業部混合の「強み分析」から新規事業を見出しSWOT分析もある

ところが売る商品も売り先も違う商材や複数の事業部を持っているケースで「経営総合SWOT分析」が有効な場合があります。

それは「多角化」などの新規事業や新規戦略を議論する場合です。

各事業部の「強み分析」をした後、更に各事業部の「強み×強み」と言う「ダブル強み分析」をします。

そして、その「ダブル強み分析」から、狙えるニッチ市場分析として「機会分析」を行います。

ここだけはプロダクトアウトになりますが、「このような強みが活かせるビジネスはどんなものか」と言う議論です。

各事業部の「強み」を掛け算して、新市場の商品開発や新ビジネスモデルを見出します。

こういう議論は少し規模のある中小中堅企業では大変有効で、部門間連携の促進策にもなります。

また企業内起業や将来のスピンアウトを目指す取り組みとしても有効な手法だと言えます。

 

一般的な中小企業レベルでは「経営総合SWOT分析」と「セグメント別SWOT分析」のどちらが有効か、事前に吟味して行いましょう。

そうしないと、どこにでもある「表面的なマクロ的な使い物にならないSWOT分析」になりかねません。

 

 

 

 

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