間違いだらけのSWOT分析
「これ、SWOT分析を現場でしたことがない人が書いたものでは…」 「何んと、どこかの本やネットからコピペしたようなSWOT分析だな…」
SWOT分析の本、Web上でもいろいろなSWOT分析の情報が溢れています。長年120超のSWOT分析をコンサルティングしてきた私から今回は、少し苦言を言いたいと思います。SWOT分析は決して魔法のツールではありません。また、表面的に業界一般論で片付けるものでもありません。
変な話、同じ業界でも、同じ商品を扱っていても、ある会社には有効な戦略がある会社には不利に働き、また逆もあります。それに、先進企業が以前取り組んだ戦略で、とっくに成果が出なくなった具体策の2番煎じを、ある中小企業が遅まきながら、取り組んで上手くケースもあります。私は、SWOT分析は学術的な暗記で提供できるものではない、と思っています。SWOT分析で生まれる固有戦略は生き物であり、TPOで異なる結果を出すものだと思います。
それに、訳知り顔のコンサルタントもどきが、「御社の積極戦略は●●です」と決めて掛かるのもおかしい。その企業の事を一番よく知っているのは、その企業の当事者です。いくら業界に詳しいコンサルタントと言っても、毎日真剣にその業界で情報を得て、取り組んでいる経営者や幹部以上に知識や判断力があるとも思えません。
そのコンサルタントが知っているのは、その業界の今までの事や理論的な事です。だから、コンサルタントが上から目線でSWOT分析で、具体策や戦略を教えるのはおかしいと思うのです。それでは、「どんなSWOT分析の進め方が間違い」だと言うのでしょうか?
- クロス分析がないSWOT分析
- SWOT分析の真骨頂はクロス分析です。4つのSWOTを書くだけなら、大した効果はありません。
- 教科書通りSWOTの順番で進める「愚」
- SWOT分析で一番大事なのは、機会分析、次にその機会に使える強み分析です。大事ことを優先的に時間を掛けないと意味がありません。
- PEST,3C分析などリアル感のない外部環境分析これらの分析手法が悪いと言っているのではなく、中小零細企業には合わないと言っているのです。そんなマクロ分析で中小企業の戦略は生まれません
- 「良い点」と混同した曖昧な「強み」分析
- 市場の可能性に直結しない強みは単に、「良い点」であり、そんな「良い点」には誰もおカネを払いません。強みは機会の使えるもののみです。
- 眼に見えるものしか「強み」にしない
- 「強み」がない中小企業は、顕在的な見方しかしていません。角度を変えてみたら、使える経営資源のいろいろ可能性が見えてきます。
- 「弱み」と「脅威」に時間を割いて、自信を無くす人たち
- 正直、前向き戦略を立てる為なら、強みと機会だけで構いません。悪いこと、できてない事をたくさん議論しても、「だからダメなんだ」と納得するだけで、楽しくありません。
- クロス分析の各戦略の固有名詞が入っていない
- 積極戦略や改善戦略、致命傷回避撤退縮小戦略は、誰とか、どことか何とか、固有名詞がないと具体的に動けません。
まだまだいろいろありますが、皆さんが眼にしているSWOT分析はいかがですか?形ばかりのSWOT分析に惑わされてはいけません。
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