根拠ある「5か年経営改善計画書」を作る時の5つの戦略的アプローチ
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
これからリスケ・追加融資の依頼時に「5か年経営改善計画書」を金融機関からの要請で作成提出する企業が増えるでしょう。
●その時、5か年計画の肝をどこから持ってくるのか?
●どんなアプローチで戦略を決めるのか?
特に資産売却やコスト圧縮の余地がない中小零細企業では「根拠ある事業構造の変革」が求められます。
しかし、どんな内容や書き方が「根拠ある事業構造改革」なのか?
分かりにくいものです。
そこでどういうアプローチから「根拠性」「論理性」を打ち出すかを紹介します。
1、「強み」を活かす周辺事業の発掘
先ずクロスSWOT分析で「強み」を徹底分析します。
ここでは各「強み」がどう活かせるか、多面的に可能性を見出す作業です。
その「強み」を活かすことで、本業関連での周辺事業・周辺商品・周辺サービスで、どこに重点的に行うことで新たな収益性が見えるかを考えます。
多くの場合、コロナで本業が厳しい状態になったはずです。
その本業に固執して、いろいろな努力を書いてみたところで、金融機関を納得させる根拠にはなりにくいもの。
既に本業はレッドオーシャン(血みどろの戦い・価格競争が避けられない市場)ですから、そこに大規模投資もできない中小零細企業が、あの手この手をした所で効果は限られています。
余程、技術的な「強み」や希少性のある「強み」がない限り、厳しいでしょう。
では、「周辺事業」「周辺商品」「周辺サービス」はどうやって探るのか?
これは顧客リサーチで、顧客の困り事を聞き出すことしか、手がありません。
そして仮説検証を繰り返し、商品精度を上げていくことのです。
2、売り方改革(独自商品で直販比重を上げる)
一番多いのはこの「売り方改革」でしょう。
今の販売形態では量も利益率も改善されず、益々「売れなくなる」時代です。
多くの経営改善が実現した事例を見ても、弊社が指導した中でも「直販比率を上げた」ケースが大きく業績改善をしています。
どこかの問屋や代理店、元請に販売・受注を依存せず、自ら直接「顧客づくり」をするのです。
それがWeb通販であれ、ダイレクトマーケティングであれ、直接顧客を持った方がいろいろな展開が可能になります。
ここでいう直販をするには、商品も「独自商品」のメーカーとして販売しない限り、利益率が取れません。
どんなものでも良いので、既存商品(仕入れ商品)に何らかの付加価値をつけて「自社ブランド商品」にするのです。
そして高い利益率の価格設定をします。
後は直接顧客を増やす為のマーケティング戦略を具体的に展開する。
そこそこの顧客基盤を作るには相応の広告宣伝費を経営改善計画書に計上する必要があります。
ただで見込み客が増えることはあり得ませんので。
3、 原価・販管費の構造を変える
原価構造・販管費構造を変える計画で経営改善計画書として認められることもしばしば。
例えば原価率が70%、粗利率が30%とします。
この原価率に材料費、外注費、現場経費そして労務費が入っています。
そこで材料費が30%、外注費が10%、労務費が30%で、原価率70%になっているとします。
仮に外注費10%分を内製化すれば利益率が変わるのなら、それも一手。
労務費負担が重いなら、全部外注に切り替え外注率を40%にすれば固定費負担は軽減されます。
販管費では固定人件費をアウトソーシングに切り替えたり、労務費になるように現場へ異動させ、総コストを落とすこともあります。
このように科目別の構造が大きく変わる経営改善計画は、経営者の覚悟と本気度が出ます。
4、他社との業務提携で可能性アップ
何でも自前で業績改善する事は厳しいでしょう。
そこで既に関係のある外部企業と各種の提携(販売提携、製造提携、ノウハウ提携)の小さな実績を作っておきます。
その提携範囲の拡大と提携によるコストダウンを経営改善計画に入れ込む事で、既に経営改善計画が進んでいる事を印象付けます。
連携・コラボの動きは今後益々重要になります。
5、事業再構築での新規事業の展開
2022年度まで「事業再構築補助金」があるので、「強み」を活かした新規事業への投資には大きな補填になります。
どう採択させるかは、認定支援機関と相談して行いましょう。
弊社の事業再構築補助金 事業計画書フォーマット(書き方コメント付き)は1万件以上ダウンロードされ、採択報告があったものだけで35件です。おそらく連絡がないものも相当あるでしょうから、かなり結果が出ているものです。
https://www.re-keiei.com/free/report-018.html
またYouTubeでも詳細を公開しています。
5分で分かる事業再構築計画書 解説シリーズ
●「強み」の書き方
●「機会」の書き方
●「弱み」「脅威」の書き方
●「競合先分析」の書き方
●「ビジネスモデルとリスク」の書き方
●「市場規模・売上積算」の書き方
●「マーケティングプロセス」の書き方
●「見込み客 販路開拓」の書き方
●「5か年収支計画」の書き方
●「ロードマップ(行動工程表)」の書き方
●「売上予定・価格設定」の書き方
●「逆クロスSWOT分析」の考え方
このように「根拠性」「論理性」を大きく戦略的に議論します。
これらの議論もすべて「クロスSWOT分析」をしっかり行うことで、いろいろなヒントが見えてきます。
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具体的なクロスSWOT分析事例からビジネスモデル改革につながる「経営改善計画書」の作成法を学ぶセミナーが7月7日オンラインで開催されます。
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