長期資金計画と事業承継10か年カレンダーを連動させると説得力が半端ない

SWOT分析、KPI監査、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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これまで経営戦略と組織対策中心の「事業承継10か年カレンダー」を作成支援してきました。

この「事業承継10か年カレンダー」は、事業承継全般のグランドデザインが1枚で分かる優れものである事は、多くの経験者やコンサル、税理士が認識しているところです。

ところが、実はこの「事業承継10か年カレンダー」には、もう一つのversionが存在します。

それは「資金計画」を中心とした「事業承継10か年カレンダー」です。

これは「事業承継10か年カレンダー 資金計画編」として特定の方にしか見せていません。

しかし、今後この「事業承継10か年カレンダー資金計画編」は、SWOT分析、事業承継10か年カレンダーと連動する事で、より緻密な長期計画になり、信ぴょう性が高まります。

1,事業承継10か年カレンダー資金計画編は税理士と一緒に開発

このフレームは今から9年前、15年来の顧問先である税理士事務所の所長たちと一緒に作成しました。

元々今の「事業承継10か年カレンダー」はありましたが、税理士から

「資金対策をもっと具体化した事業承継10か年カレンダーを作成したい」

と要望され、フレームを作成。

そして実際の企業で実践してみました。

やはり資金対策は経営者にとって最重要課題であるので、このフレームを見せて、

「社長、事業承継と中長期の資金対策、必要資金、必要売上、それに合致する戦略を整理しましょう。」

と提案するのです。

すると、まだ事業承継時期ではない顧問先や見込み客も反応しました。

「これで長期の資金需要や銀行対策が一目瞭然になった。」

「経営戦略と資金繰りがつながっている中期計画書なので、銀行に説明しやすい」

「後継者に将来の財務戦略を学習させやすい」

等の声が上がりました。

この「事業承継10か年カレンダー資金計画編」を、ヒアリングしながら入力していくと、「必要資金」「必要売上」「必要利益」が見えてきて、その為の具体的な経営戦略の必要性が急務である事が分かります。

 

2,SWOT分析で中長期の戦略投資を見極め

設備投資や買い替えなどの検討をする時、その分野を伸ばすのか、ほどほどにするのか、または撤退縮小するのかで投資額が変わってきます。

戦略投資にするなら相応の費用を計上し、それに沿った商品戦略、顧客戦略が求められます。

ここでは「事業承継10か年カレンダー資金計画編」をある程度作成して、必要売上」「必要利益」が分かっているので、それをまかなう為のクロスSWOT分析を実施します。

特に「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」では、具体的な商材名とおよその業績予測を立てて、その結果、別紙の「事業承継10か年カレンダー資金計画編」も随時、数値修正を行います。

この検討段階で設備投資内容と額面、人員投資又は削減、アウトソーシングへの傾注などの議論が各戦略に記載されます。

 

3,業績予測に沿って借入金の返済、借換、新規融資を計画化

設備投資や人員戦略などの議論から、10年間のおおよその売上、利益予定を試算します。

それを見ながら、既存借入金の返済、借換、設備投資に連動した新規融資の必要額、そして毎年の支払いが出てきます。

当然現預金をある程度キープするので、それも含めた運転資金の借入も含めます

ここで問題になるのは、借入返済や新規融資などを見ながら、先に立てた売上計画が妥当かということです。

ここで売上・利益の修正が出る場合があります。

売上利益計画が上方修正するなら、SWOT分析での「積極戦略」「改善戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」での対策の追加かリストラの加速などが必要になります。

この辺りは行ったり来たりしながら、辻褄合わせをしていきます。

 

4,株贈与や退職金、相続資金の概算計算

相続に関わる費用、株贈与、相続税対策や社長、役員幹部退職金などの「業績以外の費用」を見ておきます。

業績以外にかかる費用で、役員報酬増額や退職金用の保険加入などは、結局固定費の上昇につながります。

固定費が相当増えるなら、それを想定した売上利益計画を更に上方修正していきます。

そして、「積極戦略」「改善戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」の中身も、まだ何かできないか、再検討します。

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この「事業承継10か年カレンダー資金計画編」は、数値中心で見る為、辻褄合わせの議論が複雑になり、シートも行ったり来たりします。

これら検討過程で生保営業にとっては、保険ニーズを引き出す事が出来ます。

また金融機関にとっては優良企業の将来的な資金重要を早めに把握する事もできるのです。

事業承継と長期資金と経営戦略が連動する事で、経営者、後継者にも将来への覚悟ができ、金融機関にも説得できるようになります。

 

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