嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

2025.4.12 会社を変える「口ぐせ」コンサルティング

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昨日も人事コンサル支援をしている製造業で「職能要件書作成コンサル」を終日していました。

その前日に経営者とNO2役員からある相談がありました。

「幹部育成が上手く進んでいない」

「経営者への報告が要領を得ない」

「部門長としての責任意識や部下の人材育成ができていない」

と言う、どの企業も課題になっている事案でした。

そして、更に

「段階的に教育をして幹部になった訳ではない」

「急ごしらえで、上が辞めたから幹部になった。心構えもできずに幹部になった」

等、これまた「中小企業あるある」の課題でした。

そこで、経営者、NO2と議論をするうちに「ある記憶」が私の中で思い浮かびました。

それは・・・

1,言いたくないけど、研修や会議で組織風土は変わらない

これをいうと自らコンサルティングを否定していると受け取られると困るのですけど。

●人育てができない企業

●ヒトが辞める企業

●ルールを守らない企業

は「組織風土」の問題です。そしてこの組織風土は少しくらい研修や制度導入してもなかなか変わらない。

それは「鯛は頭から腐る」と言われるように、そういう組織になった最大の理由は経営者を含む上層部の「日頃」に問題があるからです。

しかし、普段のコンサルティングでは、そういう上層部の意識改革にメスを入れる事は皆無です。

幹部や社員に対してのコンサルティングや教育がほとんど。

だからどんなコンサルティングをしても変わらない企業が多いのが実態なのです。

別に言い訳でもなんでもありません。そういうものだと思って、コンサル側も企業側も取り組むことが大事なのです。

 

2, 「仕組みで人を育てる」っていうけど、それが定着しないのが中小企業

よく「人が育つ仕組みが必要だ」とコンサルタントが言います。

そして

●全社員参加型で経営計画や行動計画を作ろう

●会議の在り方を変えよう

●目標管理をあり方を変えよう

●人事評価制度の在り方を変えよう

●規則、ルールを細かく設定しよう

●教育研修システムを変えよう

●OJT制度やメンター制度を変えよう

等、いろいろな「仕組み」を提案し、それに納得した経営者は導入していきます。

制度や仕組みは間違いがないし、正しい考え方です。

しかし、その仕組みが継続しないし、末端まで広がらないのも中小企業の実態です。

何故か?

制度を作ったり、研修をすれば、その時だけ、その気になりますが、後は日常に癖が優先し、いつの間にか忘れられてしまいます。

PDCAを回すっていうけど、そのPDCAを回す事が負担になったり、管理職のオーバーワークやメンタル原因にもなっているのです。

 

3,やはり日ごろの「幹部の口ぐせ」を変えるしかない

そこで数年前にある鉄鋼加工企業での幹部研修で使った「トヨタの口ぐせ」と言う本の事を思い出しました。

そのダイジェスト版をWordに書いていたので、その事を社長以下、部次長数名に紹介し講義しました。

すると、社長も幹部も

「やはり、トヨタって凄いですね。昔TPS(トヨタ生産システム)でJIT(ジャストインタイム)の研修を受けていた時、こういう話を聴いたけど、それっきりになっていました」

「幹部皆が、そういう口ぐせを言い続けるなら、それは確かに組織風土は変わるでしょうね」

等の感想がでました。

そこで、「(株)○○工業の口ぐせを整理して、幹部皆でそれを日々意識するようにしませんか?」と提案すると、皆が賛成しました。

そこでこの会社の幹部の特性を鑑み、またTPSでの言葉も少し引用して「(株)○○工業 幹部の口ぐせ15か条」の素案を私が作成しました。

それを幹部以上の説明し、幹部の意見も入れて最終形が完成。

幹部には「これからこれをあなた方の口ぐせにしてください。その口ぐせが日頃出ているかどうかは社員に聞けば分かるので、それが課長係長以上の評価に反映されます」と講義で伝えました。

この「口ぐせ」は幹部がかなり納得したようです。

幹部の人事評価基準の説明ではそこまでの反応はなかったのですが、この「(株)○○工業幹部の口ぐせ」は腑に落ちたようです。

 

4,トヨタイムズで赤裸々に公開するトヨタの課題も参考に

そこででは実際のトヨタはどうなのか?

の確認の意味でYouTubeでトヨタイムズを皆で見ました。

私が以前に視聴した、「豊田章男さんが説明しているボスとリーダーの違い」を聞いてもらおうと思ったからです。

その動画では豊田章男さんの説明の前に労使交渉の場で、トヨタの組織の課題を赤裸々に語る映像が出ていました。

●若手が退職する原因

●賃金の不公正の課題

●幹部の意思決定の遅さの問題

●部下が委縮するマネジメントの問題

こういう事について組合側、執行役員などの双方から忌憚ない意見が出ていました。

それを見て「天下のトヨタも人材育成で幹部の在り方にこんな根深い課題があったのか?」と皆が真剣にその動画を見ていました。

 

組織風土を変えるのは「幹部の口ぐせ」を変える事です。

これから「幹部の口ぐせづくり研修」をいろいろな企業に提案していこうと思います。

 

 

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