介護施設のリーダー教育のツボ
医療介護の現場では、昨今益々管理者がリーダーシップを発揮せねばならないケースが増えているにも関わらず、そのリーダーシップ発揮がなかなかできない管理者や監督者も増えているように感じます。これは医療介護現場に限った事ではありません。一般の企業でも公務員でも起こっている事です。何故、そういう管理監督者が時代的に増えているのでしょうか?端的に言えば、「摩擦や軋轢を恐れ、いい顔をする管理者の増殖」と言えるのではないでしょうか。
ベテランの管理者や一線を退いた方が良く言っていた「最近は厳しく指導する 鬼軍曹がいなくなった」と言うことだと思います。決して、『リーダーシップ=鬼軍曹』と短絡的に定義付けるつもりはありません。しかし、『言うべき事はしっかり言う』事が最低限必要なのに、それを曖昧にして、自らは『マネジメントから逃げるように、現場に没頭する管理者像』の人が少なからずいるのです。
どういうリーダーシップ教育が必要なのか?
では、そういう管理者にどういうリーダーシップ教育をすれば、本来のリーダーとしての意識や行動をするようになるのでしょうか。性格的に、部下に厳しく注意する事が苦手な人は結構多いものです。また、「部下に気持ちよく働いてもらう事」と、部下のご機嫌取りを同義語と捕らえている人もいます。では性格が強ければリーダーシップを発揮できるかといえば、これも?です。何故なら、性格に強い人や押しの強い人は、確かに部下に厳しく指導できるかも知れませんが、部下が萎縮したり、言われるのが嫌だから取り繕っているケースも結構あるものです。そこで、性格に関係なく、必要なリーダーシップを発揮させるポイントを整理してみましょう。
リーダーシップの本質は「決まったことを決まったように実行させる事」
先ずは、リーダーシップの本質は「決まったことを決まったように実行させる事」だと教育する事です。たとえばケース会議や管理者ミーティング、ケアカンファ等で、患者利用者や職員間に関係する決定事項が決まったら、確実に実行させるようにチェックする事です。まあ、簡単に言うなら、物忘れをさせない、書類提出期限を確実に守らせる為に、事前にクドクド言わせる事です。 信頼される組織、強い組織はこの「決まった事を決まったように実行させる率が高い」事だと言えます。これは上司のリーダーシップを感じて、部下が決定事項を遵守するのではなく、そういう風土や仕組みを作った事による「影のリーダーシップの成果」だと言えます。
リーダーシップとは、上司が答えを言うのではなく、部下に考えさせて部下に行動させること
次に「リーダーシップとは、上司が答えを言うのではなく、部下に考えさせて部下に行動させること」だと教育する事です。これは「コーチング」の原則です。リーダーシップと言うと、「私について来い」と言うような親分肌を想像しがちですが、それば前近代的な思想だと言えます。昨今のように「現場で自ら考えて即断」せねばならない自主性が重視される環境では、一人のリーダーだけで組織を動かすことは出来ません。従って、常に部下に考えさせて、部下から意見がでるように仕向けることも重要なリーダーシップだといえるのです。「部下から意見が出る組織」を作るには、管理者は常日頃から、「コーチングコミュニケーション」のスキルを学習していなくてはなりません。「コーチングコミュニケーション」の進め方の詳細は次回に譲りたいと思います。
管理者は嫌ごとや汚れ事を先に、してから部下に教える
3番目には「管理者は嫌ごとや汚れ事を先に、してから部下に教える」ことが、リーダーシップの本質だと教えることです。クレームやトラブルは現場職員なら誰でもやらねばなりません。しかし、ちょっと「モンスターに近い」患者利用者やその家族には、職員任せにせず、管理者が率先して対処する事が求められます。また「嫌ごと」の中には、院内の組織的な問題に関する事も多々あります。たとえば、気難しいDrへの対応、ちょっと軋轢がある看護病棟間の根回しなど、一般職員ではなかなか難しいことを率先すれば、職員からの信頼感が高まっていきます。逆にそういう嫌ごとは逃げるような管理者は、部下から信頼されず、管理者のいう事を聞かない部下が多いチームとなっていくでしょう。
こちらのページもいかがですか?
無料電子書籍ダウンロード
「これを無料で渡すんですか?」と同業のコンサルタントがビックリしたマニュアルをご提供!各種コンサルティングマニュアルを揃えております。
コンサルティング現場実例ノウハウ
「こんな実例ノウハウを、こんな価格で売るって正気ですか?」と仲間のコンサルタントがあきれた「コンサルティング現場で活用した実例ノウハウ」があります。クライアントとの面談や会議で、また研修時に「見せるツール」しかも記入実例付きのリアルテンプレートを豊富に掲載。