看護師も介護士も、退職願を出す前に、こんな変化が出る
「看護師や介護士が離職を決める過程」でどんな兆候や行動があるのでしょうか?この兆候段階で、対策を打てば「離職の歯止め」を掛けられるかもしれません。
最近の傾向として(これは全業種に言える事です)退職意思を固めるまでに、上司や管理者には相談しないケースが圧倒的に多いようです。おそらく、気の置けない友達には相談しているのでしょうが…。そして、いきなり「退職願」をもってくるのです。
いや「退職願」ならまだ常識の範囲ですが、まだ退職の相談も何も受けていないのに、藪から棒に「退職届」を持ってくる職員も少なくありません。挙句の果てに「●日までに辞めます」と勝手に退職日時を決めて、こちらが取り付く島もない態度の人もいます。「辞める」と意思決定した場合、自分が辞めた場合の影響を考えて、組織や患者利用者の状況を考慮するのが当たり前の職員でしょう。
しかし、自己中心の職員にはそういう他人の状況より、自分都合が優先です。「自分は辞めるのだから、後は病院施設がいろいろ考えてください」と、さっさと有給消化を行い、職場放棄にも近い態度をとる職員が結構います。正直、腹も立つし悔しいですが、そういう態度を取って辞める職員にモラルの問題を論じても、問題の解決にはなりません。そこで、「退職の意志が固まるまでの心理過程や行動の変化」を察知し、事前に手を打つ事で、「離職」を少しでも防止する事が重要になります。
職員の「退職につながる心と行動の変化」は、どういう事に現れるかを注意深く、日頃から意識しておくべきです。これは、私がこれまで多くの病院や介護施設をコンサルティングする中で、実際に出くわした事例を整理してみました。次のような変化が出れば要注意と言う事になります
「退職につながる心と行動の変化」
- 今まで出勤時間に余裕があったのに、最近ギリギリになっている
- 提出書類がどんどん遅くなっている
- 今まで黙っていても書類提出期限を順守していたのに、催促しないと提出しないようになった
- 小さなミスが連発している
- 朝の挨拶に元気がない
- ミーティングやカンファでも意見を言わないようになった
- 最近、反体制的な職員と、仲良くなったようだ
- 勤務変更や要望が最近増えてきた
- 看護、介護レベルの高い業務を何かと言い訳して、しないようになった
- 個人面談をしても、言われるがままで、自分の意見を言わなくなった
- 職場の中で、孤立しているような感じである
- 家庭か職場かに問題があるようで、寝不足気味のような感じである
- 院内のイベントやプライベートでの誘いも、いつも断るようになった
- 会話をすれば済むことでも、メールやメモを使い、コミュニケーションから逃げているようだ
- 今まで従順だった職員が、明らかに反抗的な態度を取るようになった
などなど、「職場から心が離れている時」には、普段の態度にこそ何かのシグナルが隠されています。要は、「精神的に孤立させない」事が最優先課題と言えます。 職場の雰囲気や上司との人間関係に起因している退職意思は、管理者側の努力で幾分かは防止できるはずです。
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