
「毎月の巡回監査や定型的な記帳代行、書類作成に追われて、顧問先への深い提案やコンサルティングに手が回らない」
「所長や一部のベテランにしかできない業務が多く、属人化から抜け出せない」
これは、顧問料の単価アップや支援メニューの拡大を目指す会計事務所の所長や、現場の業務過多に悩む士業スタッフ、コンサルタント共通のリアルな悩みではないでしょうか。
昨今「生成AIを活用しよう」という声は高まっていますが、汎用的なチャットツールに簡単な質問を投げるだけでは、実務の現場で使える成果物は得られません。
かといって、高度な「AIエージェントによる完全自動化」はハードルが高く感じられるはずです。
そこで今、現場が最初に取り組むべき現実的な選択肢が「カスタムAI(MyGPTs)」の設計・活用です。
今回は、先日開催した実践セッションの生々しい検証結果を交えながら、士業・コンサルタントがカスタムAIを使って業務の質と付加価値を高める具体的手順をお伝えします。
1. 10分でプロ級の成果物?「研修レポート作成サポートAI」の威力
先日、私が主宰する「RE嶋田塾」の2026年度マスターコースにて、5時間にわたる濃密なZoomセッションを行いました。
参加メンバーは、新刊『経営課題解決型生成AI活用マニュアル』の共著者でもある精鋭6名です。
今回の第8回のテーマは「カスタムAIを設計し、実務に使う」。
まず検証として、私が事前に設計したカスタムAI「会計事務所職員研修レポート作成サポートAI」を立ち上げました。
会計事務所あるあるとして、「職員を外部研修に参加させても、提出されるレポートは感想文レベルで終わってしまい、事務所のノウハウとして定着しない」という課題があります。
そこで、メンバーに「ある研修を受講した」という設定で、このAIからの10数個の連続した質問にチャット上で答えてもらいました。
AIが受講動機や講義のポイント、自社・顧問先へどう応用するかを深掘りして引き出す設計です。
回答を終えると、わずか10分足らずで「ここまで書ける職員はごくごく一部だろう」と全員が唸るほどの高精度な研修レポートが生成されました。
優れたプロンプトを裏側に組み込んだカスタムAIを使えば、スキルのバラつきを埋め、誰でも最高水準のアウトプットを出せるようになるのです。
2. マニュアル作成から図解化まで数分で完結する仕組み
プロンプトの設計画面を見せて構造を解説した後、次に「作業手順書作成AI」という別のカスタムAIの実演を行いました。
会計事務所でもコンサル現場でも、「業務手順をマニュアル化したいが、日々の業務に追われて言語化する時間がない」という状態が放置され、業務が属人化しがちです。
この「作業手順書作成AI」も、AI側から業務の手順や注意点、必要なツールについて順を追って質問が投げかけられます。
メンバーが自事務所や顧問先の特定の定型作業を思い浮かべながら質問に回答していくだけで、あっという間に整然とした表形式の業務手順書が完成しました。
さらに、その出力データをChatGPTでインフォグラフィックス(図解)化する手法も実践しました。
文字だらけのマニュアルは現場で読まれませんが、要点を押さえたビジュアルな業務フロー図が数分で作れるため、顧問先への業務改善提案ツールとしてもそのまま使えるレベルのものが手に入ります。
3. 実務直結のカスタムAIを自ら設計する――資金繰り・決算格付け施策の検証
仕組みと作り方を理解したところで、後半は参加メンバー各自が「自分自身の実務や顧問先支援に直結するカスタムAI」をその場で設計・構築するワークに移りました。
ここでのポイントは、一般的な知識を吐き出すAIを作るのではなく、各コンサルタント・税理士が培ってきた「独自のノウハウや診断ロジック」をプロンプトに組み込むことです。
参加者からは、極めて実践的なカスタムAIが次々と生み出されました。
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「損益分岐点からの資金繰りシミュレーションAI」 損益計算書の数字や固定費・変動費の前提、売上増減のシナリオを入力すると、AIが対話形式で資金ショートのリスクや改善すべき限界利益率を算出し、具体的なアクションプランを提示するカスタムAI。
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「信頼性の高い決算書(正規格付けバージョン)格付けアップ施策AI」 金融機関が融資審査で重視する決算書の指標や実質自己資本の状況などを入力し、AIの問いに答えていくことで、信用格付けを向上させるための具体的改善提案書が自動構成されるカスタムAI。
メンバーは実際に手元のリアルなデータを投入し、AIからの深掘り質問に回答しながら検証を繰り返しました。
結果、
「自社のコンサルティングノウハウがそのままAIに落とし込める」
「これがあれば若手スタッフでも顧問先に対して高度な財務提案ができる」
と、その実効性を強く確信することとなりました。
このように、自社のコアノウハウをカスタムAI化しておくことこそが、顧問先に対する提供価値を高め、顧問料単価の引き上げを実現する確実な武器になります。
4. 全自動化の前に、まず「1つの定型業務のカスタムAI化」から
「生成AIを導入する」というと、業務のすべてを全自動で処理するAIエージェントのような仕組みを想像しがちです。
しかし、いきなりそこを目指すと、設計の難易度が高すぎて現場に定着しません。
最初の一歩として最も確実なのは、所内・社内にある「特定の定型業務」を1つ選び、それをカスタムAI(MyGPTs)に落とし込むことです。
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職員の研修報告書作成
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社内・顧問先の作業手順書作成
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初回面談時のヒアリングシート作成
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決算診断や資金繰りの初期分析
このように領域を絞り、質問に答えるだけで一定水準のアウトプットが出る仕組みを作る。
これこそが、中小零細企業や士業事務所が「当社は確実に生成AIを実務導入している」と胸を張って言える、最も堅実で成果の出るアプローチです。
まずは身近な1つの業務から、カスタムAI化に着手してみてください。
カスタムAIを自社の実務やコンサルティングメニューに組み込むことで、業務効率化はもちろん、提案の質とスピードを飛躍的に向上させることができます。
「自社でも実務に直結するカスタムAIを設計してみたい」「士業・コンサルタントとしてのAI活用法を体系的に学びたい」という方は、私が毎月開催している「RE嶋田塾」で実践ノウハウをお伝えしています。
▼ RE嶋田塾の詳細はこちら https://store.re-keiei.com/pages/re-shimada-course-2
ご興味のある方は、まずはメールにてお気軽にお問い合わせください。
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