2026.3.18 「生成AIを使っているのに忙しい」を卒業するGem/MyGPTs作成術

「AIを導入すれば業務が効率化され、付加価値の高いコンサルティングに集中できる」
そんな言葉を信じてChatGPTやGeminiを使い始めたものの、ふと気づくと**「結局、毎日プロンプトを打ち込むのに必死で、あまり時間が浮いていない気がする」**。
そんな風に感じてはいませんか?
実は、多くのコンサルタントや会計事務所の職員が陥っているのが「単発プロンプトの罠」です。
毎回、新しいチャットを立ち上げ、「あなたはベテランの税理士として……」「中小企業の経営者に伝わるように……」とゼロから指示を書き込む作業。
これは、例えるなら**「毎日やってくる新人アルバイトに、毎朝一から十まで業務手順をレクチャーしている」**ようなものです。
これでは、AIを使えば使うほど、あなたの「指示出しコスト」ばかりが膨らんでしまいます。
今、私たちに求められているのは、AIを「便利な道具」として使う段階から、あなたのノウハウを詰め込んだ「分身(デジタル・スタッフ)」として資産化する段階へのシフトです。
Googleの「Gem」やOpenAIの「MyGPTs」を使えば、プログラミングの知識は一切不要。
わずか数分の設定で、あなたの「いつもの仕事」を阿吽の呼吸でこなしてくれる専用AIが完成します。
実は私も最近はGemを使って、ブログ記事やセミナーのレジメを作成しています。これだけで70%の時短になっています。
今回は、心理的・技術的ハードルを極限まで下げた、最もシンプルな「資産型AI」の作り方を解説します。
1,なぜあなたの生成AI活用は「時短」にならないのか?
コンサルタントや会計事務所の現場でよく見かける光景があります。
例えば、顧問先の月次試算表をもとに経営分析コメントを作成するシーン。
「今月の売上は……、原価率は……、これを踏まえて改善案を3つ提案して」と、一生懸命プロンプトを打ち込みます。
しかし、AIから返ってくるのは「売上を上げましょう」「経費を削減しましょう」といった、どこかで見たような一般論ばかり。
結局、「これじゃあ経営者には刺さらないな」と、自分で大幅に書き直すことになります。
これこそが「コンサルあるある」の典型、**「AIとのコミュニケーション不全」**です。
単発のプロンプトでは、AIはあなたの顧問先の業界特性も、その社長の性格も、あなたが大切にしているコンサルティングポリシーも知りません。
その都度、背景情報を説明しようとすれば、プロンプトはどんどん長くなり、作成に30分もかかってしまう。
これでは「自分でやったほうが早い」という結論に至るのも無理はありません。
中小企業の経営支援において、最も価値があるのは「個別具体性」です。
しかし、その個別性をAIに理解させるために毎回苦労しているようでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは呼べません。
私たちが目指すべきは、プロンプトを「打つ」ことではなく、一度設定したプロンプトを「使い回す」仕組み作りなのです。
2,心理的ハードルを壊す!「3つの要素」で書く魔法のプロンプト型
「GemやMyGPTsを作るなんて、なんだか難しそう」と身構える必要は全くありません。
システム開発のような複雑な設計図は不要です。
あなたがやるべきことは、GeminiやChatGPTの設定画面(指示欄)に、以下の**「3つの魔法の型」**を放り込むだけです。
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【立場】(あなたは誰か): 「あなたは、30年のキャリアを持つベテラン経営コンサルタントです。特に地方の中小零細企業の資金繰りと組織改善に精通しており、経営者に寄り添う温かい口調が特徴です。」
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【材料】(何を渡すか): 「これから、顧問先の『試算表データ』や『面談メモ』を貼り付けます。これらを分析の材料としてください。」
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【成果物】(何を出してほしいか): 「出力は、社長がスマホで読んで5分で理解できる『今月の3つの神アドバイス』という形式で、箇条書きで出してください。」
この3点を一度設定して「保存」する。
たったこれだけで、あなた専用の「月次分析アシスタント」が誕生します。
翌月からは、データを放り込むだけで、あなたの思考プロセスをなぞった回答が瞬時に返ってきます。
大切なのは、完璧なプロンプトを目指さないことです。
「いつもの指示」をそのままメモ帳に書くような感覚で設定する。
それだけで、これまで毎回30分かかっていた「前提条件の入力」が、文字通り「ゼロ秒」になります。
3,会計事務所の「あの面倒な作業」を自動化してみる
ここで、ある会計事務所の職員の事例を紹介しましょう。
彼女を悩ませていたのは、顧問先からバラバラに届く
「この領収書、経費で落ちますか?」
「インボイスの登録はどうすればいい?」
といった、似たような、しかし返信に気を使う質問メールへの対応でした。
彼女は自分専用のGem(MyGPTs)を作成しました。
設定したのは以下の内容です。
「あなたは当事務所の優秀な監査担当者です。事務所のQ&Aマニュアルの内容をベースに、顧問先からの質問に対して、丁寧かつリスクを抑えた回答案を作成してください。最後には必ず『詳細は次回の訪問時に改めて確認しましょう』と付け加えてください。」
これが運用され始めてから、彼女の業務は一変したそうです。
届いたメールをコピーしてGemに貼り付けるだけで、完璧な回答案が数秒で生成されます。
彼女はそれを少し微調整して送るだけ。
これまで「返信を考えるのが億劫で後回しにしていた」ストレスから解放され、空いた時間で顧問先の経営数字をじっくり眺める時間が持てるようになったのです。
また、ある経営コンサルタントは、顧問先への「議事録作成」を自動化しました。
ZOOMの書き起こしデータを放り込むだけで、「決定事項」「次回の宿題」「コンサルタントとしての所感」を自動で整理するGemです。
これにより、移動中の電車内でスマホから議事録を完成させることが可能になりました。
4,AIを「育てる」ことが、コンサルタントの時間を自由にする
経営コンサルタントや会計事務所の本来の使命は、プロンプトを美しく書くことではありません。
経営者の不安に寄り添い、共に未来を描き、一歩踏み出す背中を押すことです。
しかし、日々の定型業務に追われていては、その「最も人間らしい仕事」に充てるエネルギーが枯渇してしまいます。
単発プロンプトを卒業し、あなたのノウハウをGemやMyGPTsに「覚えさせる」。
実は我々が提案している「チェーンプロンプト」をこのMyGPTsやGemの設計に入れる事で精度の高いものになっていきます。
これは、あなたの知識をデジタル化して資産に残す行為です。
最初は完璧でなくても構いません。
使いながら、少しずつ指示を足していけばいいのです。
まずは明日、あなたが最も「毎回同じことを説明しているな」と感じる業務を一つだけ、Gemに変えてみてください。
数分後のあなたの隣には、24時間365日、文句ひとつ言わずにあなたの指示を待つ「最高の分身」が座っているはずです。







