2025.8.25 見えてきた生成AI時代の経営顧問の在り方
生成AIのカスタムChatをいろいろ制作し、実際のクライアントで導入検証をしています。
その中で、何となくですが、生成AI時代の経営顧問や経営会議の在り方のヒントが見えてきました。
この潮流を理解し、率先して活用しないと「生成AI時代の経営顧問」が難しくなるのではと考えています。
では実際にどう変革していくのか?
1,高額のコンサルティングプロジェクトの激減
これまで大手コンサル会社が受注してきた数百万円~1千万円超の高額プロジェクトは、徐々に減っていくのではないかと思います。
特に調査分析の仕事はクライアント自身が生成AIを使えば、コンサル会社の優位性もなくなります。
これまで「調査、診断、分析、提案レポート」が高額案件でしたが、その部分が低価格化していくだろうし、競合するコンサルタント会社や個人事務所が生成AIを使って低価格で同等のものを提供できます。
「大手コンサル会社」のブランドや情報優位性がなくなっていくのです。
だからアメリカのマッキンゼーがバックオフィス部門をリストラしたように、大手コンサル会社も「稼げないコンサル」のリストラが始まるのではと思います(コンサル会社の場合、リストラしなくても、食えなくなったら自ら辞めていくので、リストラの必要なないかも)
すると、大手コンサル会社から独立するコンサルタントが雨後の筍のように出てきます。
これは不況になると「コンサルタントが増える」という構図にも似ています。
2,これからも残る経営顧問のニーズ
生成AIで先ほどの「調査、診断、分析、提案レポート」という「前さばき」のニーズは激減しても、経営顧問のニーズはむしろ増えるかもしれません。
例えば
「経営者が生成AIを使って出したコ答えや意見の客観的な判断をコンサルに求めてくる」
「AIの答えを組織に落とし込む対策の判断や、幹部社員への動機づけは、人間が必要」
「AIが出した経営計画書、人事評価、各種アウトプットの内容を精査するのも人間」
確かに生成AIで情報や知識を無料で手に入れて、チェーンプロンプトで会社経営に必要なアウトプットも入手できます。
ただ、その取捨選択の判断において、経営者は誰かに客観的な意見を求めます。
その時「経営顧問」のニーズが増えるのです。
3,新たに生まれるコンサル需要 生成AIコンサルティング
当面は、中小企業では生成AIの使い方の継続指導、研修でもニーズがあるので、使い方やプロンプトヲ説明する事の研修でもニーズがあるでしょう。
しかし、中小企業も生成AIをどんどん学び、単なる使い方や単発プロンプトなら、わざわざコンサルの力を借りなくてもできるようになります(2026年末には)
その時までに、各中小企業では生成AIで何ができるか、実際の業務効率化や経営戦略に使える生成AIの使い方やカスタムChatを作る「生成AIプロジェクトコンサルティング」スキルを身につけなければなりません。
その為には、クライアントニーズに沿ったカスタムChat(myGPTs)の開発技術を身に着けて、クライアントの課題解決のオリジナル生成AIを実装するコンサルティングは増えそうです。
4,生成AIを使った経営会議のファシリテーション
もうすでに、経営会議の在り方が変わってきています。
私の顧問先でも、経営会議時にファシリテーションをしながら随時ChatGPT4oにプロンプト入力し、必要な情報の収集や整理をしています。
まずAIに経営課題の各議論で、的確な参考意見を出させるプロンプトを入れます。
AIのアウトプットをExcel、Wordにして経営者、幹部と再度議論をしてカスタマイズしていきます。
経営会議で生成AIを使う事で、経営者も幹部も「プロンプトの入れ方」を学んで、皆がどんどんプロンプト上手になります。
すると、3のように「先生、〇〇の件をAIに聞いたら、こんな結果になりました。これをどう展開したらいいでしょうか?」という質問が来ます。
5,内蔵プロンプトの生成AIツール活用が当たり前に
経営会議であれ、何かのプロジェクトでの情報収集であれ、イチイチ、オリジナルプロンプトを考えるのは面倒な事です。
そこで、経営コンサルテーマ別のAIから質問が来て、それに経営者と一緒に議論しながら入力していくと、短時間で素案が生成されるシステムを利用する事です。
専用の生成AIとは言え、経営者や幹部からヒアリングしながらのプロンプトの回答を入力するスキルは今後も必要です。
これは「コンサルティングコーチングメソッド」というもので、このアナログ部分は変わりません。
だから、プロンプト以上に「何を具体的に書くか」「どういう段階のプロンプトで目的物を生成するか」という頭の中の設計図と、それを引き出すコーチング技術は益々必須になります。
この経営支援専用の内蔵プロンプトがあるのが、弊社プロダクトの「経営ナビAI」というツールです。
詳しくはこちらを
6,生成AIでは対応できないUSP分野を確立する
どんなに生成AIが普及しても、生成AIだけでは最終判断ができない「人事評価系」「人材育成」「メンタル系」のアナログ需要は底堅いでしょう。
だから、独自のUSPと生成AIを絡めて、定期セミナー開催や個別相談会を実施すべきです。
ここで自身のUSPと生成AIをうまく絡める為には、過去の自身のUSPでの成果物を分析して、どんなアウトプットになっているかを整理してみましょう。
それを生成する為のチェーンプロンプトも開発します。
その時、追加質問をいろいろ行い、アウトプットの拡幅と精度向上のどちらも図ります。
そのアウトプットの内容が「経営者の心に刺さるキャッチコピー」とともに考えます。
もうUSP(独自のウリ)を差別化し、生成AIで創出させる生成AIコンサルティングの時代になってきました。
この内容や詳細は9月17日(水)の「RE嶋田塾」で解説します。