嶋田利広ブログ

コンサルタント事務所経営

コンサルタント失敗物語⑥(価格設定と値上の失敗)

コンサルタントの価格提示は難しいものです。業界に平均単価とかの決まりもありません。例えば、そのコンサルタントが「私は1時間100万円です」と言えば、それが価格だし、逆に「私は、1時間1万円です」と言えば、そうなるでしょう。この価格は、決して作業量や作業時間によって決まっている訳ではありません。

そのコンサルタントにブランド力があれば、同じ提供内容でも高額になるし、知名度がなければ低価格になるだけです。そこにいろいろな失敗があります。

1、最初からの低価格は値上が難しい

先ず、この業界は最初の単価が後々まで尾を引くという事です。私もまだ無名のころからの顧問企業には、いまだに3時間5万円というクライアントもいます。ただ他のプロジェクトやあれやこれやで年間100万円以上になり、時間単価の許容範囲だから現在も継続しています。これがもし、時間単価1万円とかだったら、いくら長いお付き合いでもこちらから、じわーとフェードアウトしていくでしょう。

だったら、値上げすればいいじゃないかと思いますよね。ところが、一度決めた価格は簡単に上げにくい傾向があります。要は「言いにくい」のです。特に関係性が長ければ長いほど。もし値上げを言うと、長い関係先は「まあ、先生そんな事言わず、今までの価格でお願いしますよ。もう何十年もお付き合いしてるんですから」と。

こちらも若い頃からお世話になっているし、過去にはいろいろと紹介をもらったり助けてもらったりとあるので、それを無下に断る訳にはいきません。だから、頑張って当初から高価格契約を狙うべきなんです。

2、値上げ=作業増加で、時間単価ダウン

値上げの中でよく間違う値上げがあります。それは「作業量増加」を理由に「値上げ要請」をする場合です。「〇〇をするから、◇◇円増額をお願いします。」と。普通の値上げですが、ここで要注意なのは「値上後に作業量増加が、大きく結果的に時間単価が悪くなったケース」です。本来なら時間単価を上げる為の値上げだったはずなのに、値上げが時間単価を下げるという何とも皮肉な話です。だから、値上げではなく、「別途コンサルティング追加」「他の研修を追加」などの総額アップで、トータルの時間単価を上げるべき努力が必要なのです。

でも、別途アイテムが低単価、低い時間単価で受注すれば、「売上増、利益悪化」というまた悪循環、負のスパイラルになっていくので要注意です。

3、中身を変えずに、値上要請で解約。しかしそれでも良しと…

これは私の失敗例というよりも、結果オーライな出来事です。あまりにも低い価格のクライアント、敢えてコンサルティング中身を変えないまま「この価格では難しいので、〇万円上げて欲しい」と伝えました。すると、経営者から「うちも厳しいのは先生もご存知でしょう。何とかこのままでお願いします。」と強く言われました。しかし、あまりに金額が低いので「では社長、せめて〇万円だけでも上げて頂けますか」と。すると、「上げるとして何をしてくれるのですか?、この前の提案をしてくれるなら値上げも結構です」と。

この前の提案とは、営業マニュアルを作るという事です。これは本来、別途提案しているものです。「いや、それは時間も掛かるので別料金です」結果的に経営者は「中身を変えずに値上げ要請」という事を依頼されていることがようやく分かったようです。それで「検討しておきます」と。

そして次回訪問時に「先生長らくありがとうございました。しばらく自分たちでやってみます」と体よく解約されました。本来なら悲しいことですが、時間単価とそこに縛られるリスクを鑑みて、断る事にしました。

 だから、「中身を変えない値上げ要請」は解約覚悟で行くべきかもしれません。解約されたら困るなら、値上げは慎重にして、「別途提案」で総額を上げる工面が必要です。

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