信頼感と継続率が一気に上昇 年間コンサルティング計画書
既に経営顧問としていちいち計画書も不要な間柄なら、「年間コンサルティング計画書」は不要です。しかし、まだ関係性が浅かったり、先方が費用対効果を確認する為に「先生はどんな計画でご指導をされるのか予定表を出してくれませんか」と言われるケースは結構多いものです。私の経験から、4年以上の経営顧問からはそういう依頼はあまりないですが、それまでの期間では出したケースも結構あります。クライアントは「いくらで、何をしてくれるのか」といつも思っているのです。クライアントがこちらのコンサルティングスタイルを理解し、何も言わなくても付加価値を感じてくれるまでは、この「年間コンサルティング計画書」は必要でしょう。
1、行き当たりばったりは不信感のもと
零細企業相手なら、行き当たりばったりのコンサルティングでもクレームは出ないかもしれません。しかし、しっかりした中小企業以上になると、そういう甘えやいい加減さは通用しないと思った方が無難です。今から25年ほど前、某大手コンサルティング会社のコンサルタントが、こんな会話をしたことが原因で解約されました。そのクライアントとは、私も研修等でお付き合いしており、経営者からこんな苦情を聞きました。
- 某コンサルタント会社から毎月1回2名のコンサルタントと助手が来て指導してもらってる。
- まず企業診断してもらい、その後経営協力と称して25万円/月払っている。
- 1年位経った頃、経営会議の前に社長から「今日は何をするんですか」と聞くと、「そうですね。何をしましょうかね」と返事があった。
- そして、そのコンサルタントは会議の報告内容によって、やるべきことを決めます、といった。
その経営者は、その2か月後解約したそうです。このコンサルタントはプロではないですね。コンサルティング計画がなくても、事前にテーマアップは必要だし、提案のないコンサルタントはダメです。
2、年間コンサルティング計画を出すタイミング
年間コンサルティング計画を出すタイミングは、
- クライアント企業の経営計画書作成指導時
- 決算報告会前後で翌期がスタートする前
- 契約開始月の2カ月前
です。そこで経営者とじっくり課題を話し合い、コンサルタントが感じている課題や対応策も入れて提案します。
3、年間コンサルティング計画の立て方
年間コンサルティング計画は、経営者が見やすく、「何をしてくれるのかイメージしやすいフォーム」に記載します。おススメはExcelでA3横で書いた感じです。
- 月ごとにコンサルタントが参加する定例経営会議での実施事項を掲載(毎月同じ内容)
- 各会議ではスポットや臨時の課題が必ず出るので、経営計画書の重点課題のチェックを四半期単位で記載
- 特に経営会議での重点チェック事項は、毎月違うテーマにはしない。1つのテーマを2~3か月しないとなかなか進まず、取りこぼしがでる(経営者は課題が解決されないまま、次々新たな課題をする事を快く思わない)
- 幹部教育、営業教育、開発などのテーマ会議も四半期テーマを設定して、そのテーマに沿った講義や重点指導内容を記載
- コンサルタントのノルマとして、四半期ごとに「どんなアウトプットがでるか」を明記してもよい。
こういう年間コンサルティング計画は、クライアントに対する「コンサルタントのコミットメント」と言える。
4、クライアントが指導を受けたいという受け身の場合
クライアント経営者が課題を出し、それをベースに年間プログラムを組むことは、難しくありません。相手の要望を具体化すればいいのですから。問題はクライアント自身が受け身で、「指導を受ける」というスタンスの場合です。その場合こそ、年間スケジュールが必要です。しかも、相手が飽きないようにしないと、3年以上継続しません。飽きるのは、講義一辺倒の場合です。私が知っている継続しないコンサルタントの話です。
そのコンサルタントは私より5年先輩で、元のコンサルタントファーム時代の上司でした。そのコンサルタントはとにかくクライアントとの関係性が続かないのです。最初の勉強会等では、「いい話が聞けた」とクライアント評価も上々です。
2回目の「まあまあ」という評価。
3回目に「なんか講義ばっかり」という不平
4回目は「違うテーマでもっと参加する研修にしてほしい」という苦情
5回目は「もう結構です」と解約
私に言わせれば「変化球がなく、ネタが少なすぎる」ということです。それでも、彼がそのコンサルタント会社でしばらく在籍できたのは、彼の部下が頑張ったおかげでした。まあ、それはともかく、コンサルタントには引き出しの多さは大きな武器です。
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