経営戦略コンサルタントは格好いい
コンサルタントにもいろいろなカタチがあります。
以前にもこのブログで紹介したように、
〇研修系コンサルタント
〇システム系コンサルタント
〇財務系コンサルタント
〇マーケティング系コンサルタント
〇Web系コンサルタント
〇コーチ・メンター系コンサルタント
〇専門業種系コンサルタント
〇専門機能・ノウハウ提供系コンサルタント
そして、何でも対応する「総合経営コンサルタント」です。この「総合経営コンサルタント」は別名「ゼネラルコンサルタント」と呼ばれ、一つの専門性を追求した後、いろいろなノウハウを取得し、経営全般のコンサルティングができるようになる方です。まあ、この経営コンサルタントの業界で、「ゼネラルコンサルタント」と言われる方は、かなり少数派でしょうが。
因みに、私はまだ「ゼネラルコンサルタント」の基準には到達できていません。いろいろなコンサルタントのカタチがある中で、
「コンサルタントらしい仕事の姿は何か?」
「コンサルタントとして格好いい瞬間は何か?」
といえば、やはり「経営戦略を提案するコンサルタント」の姿ではないでしょうか。これは最初から答えがない「無から有を作り出す」非常にクリエイティブな仕事であり、且つそれだけ難しい訳です。
経営戦略コンサルタントに必要なスキル
経営戦略コンサルタントは、クライアントの実態に即した独自の戦略を提案したり、分析したりします。すると、最低限必要なスキルは「フレームワーク」です。どんな戦略も、フレームワークを使って、分析しない事には、明確な答えが出ません。このフレームワークには、いろいろなモノがあります。
無論、私はSWOT分析がイチ押しですが、他にも有力なフレームワークとして、
①KJ法
②3C分析
③Whyロジックツリー、Howロジックツリー
④PEST分析
⑤PPM
⑥5FORCE
⑦オズボーンのチェックリスト
他にもいろいろありますが、目的によって使い分ける事が必要ですね。全てを使いこなすようなスーパーマンはいませんから、どれか一つでも追及して強くなることが大事です。
フレームで分析もせずに経営戦略をコンサルタントが教える矛盾
あまりフレームワークを使わず、「貴方の会社はこんな戦略を導入すべきだ」と指導するコンサルタントがいます。これは
「この業界には、この戦略が今風だ」
「この業界はいずれ、こうなると大手も予測している」
「この戦略を取れば、この問題が解決するから」
とコンサルタントの過去の知見や常識から、戦略指導をしているようです。しかし、クライアントにはクライアント独自の強み弱みがあり、また歴史と経営資源、内部要因や外部環境があります。だから、フレームワークで分析もせず、指導するコンサルタントは問題だし、それを直ぐ受け入れる経営者も問題といえます。
経営戦略コンサルタントは何を導き出すか
経営戦略コンサルタントというけれども、実際には何をクライアントの為に導き出し、誘導し、支援し、行動させているのでしょうか?大きく分けて、経営戦略、営業戦略、組織戦略に分けられます。
①経営戦略
これは、経営面すべてですが、主に新規事業参入の可否判断、事業の縮小撤退などのリストラ、ビジョン構築、M&A・業務提携戦略などの大きな経営判断が必要な戦略です。それらに付随する設備投資や事業規模に必要な項目を分析議論します。
②営業戦略
主に商品政策、顧客政策、価格政策に伴う戦略判断を提供します。トータルでいうと「マーケティング」になります。
商品政策は、重点商品を今後どうするかの判断や商品開発・改良のコンセプトや開発メソッドの提案など
顧客政策は、顧客の棚卸や重点顧客の選別、新規開拓の戦略判断、顧客の地域政策、顧客管理対策など
価格政策は、利益率を考えた収益商品と売上や新規開拓重視の価格訴求商品、値付け・値上げ対策のメソッドなど
営業戦略は、細かい売り方やセールスプロモーションなどの指導と言うよりは、営業戦略の大枠やマーケティングのフレームをつくる感じです。
③組織戦略
これは人事配置、採用、登用、組織図やマネジメント体制など、各経営戦略や営業戦略を実現する為に必要な組織について、提案します。これら経営戦略、営業戦略、組織戦略もコンサルタントが一方的に指導することはなく、クライアントとひざ詰めで議論し、分析した結果、提案するものです。
ベテランの経営戦略コンサルタントは教えず、聴きまくる
このように書くと、「経営戦略コンサルタントなんて、誰でもできやしない。難しいですね」と思われたでしょう。確かに、経験が少ないコンサルタントがいきなり「経営戦略コンサルタント」を名乗ってコンサルティングを行うにはリスクもあります。正直言うと、ベテランの経営戦略コンサルタントと駆け出しのコンサルタントとの違いは、知識でもノウハウでもありません。
冷静なヒアリング能力と「何故」を何回も確かめ仮説と検証を繰り返す「忍耐力」ではないかと思います。若くて、自分のノウハウに自信があると、どうしても「指導しよう」「教えよう」とします。一番大事なのは、「教える」ことより「聴く事」なんですね。「聴いて、様々なヒントを出して、クライアントにも考えさせ、クライアントが納得し行動に写せる結論を導く事」が経営戦略コンサルタントという事でしょうか。
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