嶋田利広ブログ

コンサルタント事務所経営

コンサルタントからクライアント契約を切る時

そう多くないケースですが、クライアントから経営顧問契約を解除されるのではなく、コンサルタントから契約解除の提案をする場合があります。私も長年コンサルタントをやっていますが、数回、このケースがありました。

「せっかくの仕事なのに、コンサルタントから契約解除を言い出すとは何事だ。けしからん」と思う人もいましょう。しかし、我々も自分を守らねばなりません。こちらから契約解除をしたいと思う場合は、コンサルタント自身が相当のストレスを感じていたり、割に合わない仕事の状態です。

そういう状況は、メンタルヘルス上好ましい状況ではありません。では、どういう場合に「コンサルタントから契約解除」を言い出すのでしょうか。今回は、スポット契約のコンサルティングではなく、顧問契約などの継続指導における場合でご紹介します。

1、お互いマンネリだが、長年の付き合いからクライアントからは言いにくい

これは「長年連れ添った夫婦」みたいなものです。過去からのしがらみや、存在自体が当たりまえな状態です。クライアントも、もうそろそろ、このコンサルタントから「卒業」したいと思っているけれど、なかなか自分から言えない。当然コンサルタント自身もそう思っている訳です。状況打開のためにいろいろ提案したり、新規の取り組みを試みても、このマンネリ状況から抜け出せない。いろいろと努力した上で、関係が改善できない状況で、コンサルタントとして自分の貢献や存在価値がないなら、自ら身を引く事も考えねばなりません。

2、クライアントとコンサルタントの価値観のズレが随所に出る

クライアントの経営者とコンサルタントの関係が良い時は、単純に価値観があっている訳です。しかし、方針のズレ、戦略のズレ、認識のズレ、優先順位のズレなどを経過するうちに、「価値観のズレ」を感じるようになります。人間関係は「価値観のズレ」が生じると、共に取り組む気持ちが恐ろしく減退します。一度「価値観のズレ」を感じると、いろいろな経営判断の場面で、クライアントとコンサルタントの認識違いやズレが生まれます。 そうすると、もう顧問としてはムリですね。

3、クライアント先でのコンサルタントが苦痛

私も過去、何回かありました。苦手なコンサルティングを依頼され、その成果を追求されたり、やってもやっても効果がない事、同じことの繰り返しの継続を要求されたり、経営者からコンサルタントも幹部と同じ扱いを受け、一緒に説教や罵倒されたり、せっかく作成した資料やいろいろな提案をいつも否定されたり、当然、そのような事が続くと、コンサルタントと言えども、モチベーションは下がります。

いくらおカネをもらっているからと言って、出口の見えないこういう状況を放置すると、コンサルタントのストレスは高止まりして、心身に影響していきます。本来なら、そういう状況を作らないようにするのがコンサルタントの力量ですが、「苦手意識」ができてしまうと、なかなか修正が難しいですね。

4、切りたいなら、その前に増やす

正直、コンサルタントから契約解除を申し出る事は、そう難しくありません。これまで言ってきた状況の中でなら

「コンサルタントは切りたい、クライアントは何とか続けてほしい」という事は少なく、クライアントも

「そうですね。ここでいったん休憩しましょう」と言ってくれるはずです。

何故なら、「コンサルティング料に見合う成果と内容ではない」から。ただ、安定した顧問料収入が減るという事は、それに見合う対策を事前に取り、「不安感なく、契約解除をする」状態にしなければなりません。イメージとしては、1.5社増えたら1社を契約解除するみたいな感じです。

1.5社とは中途半端な数字ですが、顧問数が1社以上増えた状況下で、1社の解約をするのです。コンサルタントに顧問数のキャパがどれくらいあるかで多少異なりますけれど。厳しい言い方ですが、顧問数が増えていないのに「あのクライアントは嫌だから解除する」という姿勢はそのまま収入ダウンとじり貧を意味するので、よく考えて行う必要があります。

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