社員が提案しても社長は動かない。でも外部が言うと、動くという事実
「先生、社長にいってくださいよ。私達がいくら進言しても聞く耳を持ってくれません」
これは何回も聞かされた幹部の愚痴です。そうなんです。経営者は社員から提案されても、なかなか動きませんが、第3者やお客様から言われると、直ぐ反応する事は多いんです。
それを見て、幹部クラスは「何か、自分達は社長に信頼されていないんですかね?」と思う人もいますが、そうじゃありません。
それは、○○○○が働いているからなんです。
ある会社で、こんな事がありました。
『営業部のパソコンのOSをバージョンアップし、営業全員にノートパソコンを持たせて欲しい』と、営業役員から、経営者へ提案がありました。台数にして10台で、リースにすれば買えない額ではありません。ノートパソコン購入は営業の現場から、何回ともなく上がっていた要望でしたので、営業役員も社長への提案を試みたのですが、「社長がOKを出さない」ので、結局現場の要望を却下するしかありませんでした。
ところが、TOPが年始の挨拶廻りをしていた時のことです。顧客からこんな要望が出たそうです。『もう少し、見積もりや情報提供が早くなりませんか?同業のB社は、ノートパソコンを持ち歩き、営業がその場で、いろいろ提案してくれますよ。もっとIT営業をした方がいいんじゃないですか?』と。それを聞いたTOPは帰社後、営業役員に顧客から言われた事を伝え、直ぐノートパソコンを使った営業スタイルにする為の準備を命じました。あれだけ、何回もノートパソコンの必要性を説明しても首を縦に振らなかったTOPが、顧客の一言で、即OKを出すのですから、いかに「顧客の声が天の声」かが分かります。
またこんな事もありました。A社はある経由で中小企業診断士の卵から無料で経営診断を受けられるようになりました。コンサルタント研修生が、その会社に入り、経営診断をしました。アンケートやヒアリング、現場調査を行い、結構分厚い報告書を提出しました。その労務部門の報告に『職場環境の改善』と言うテーマがあり、作業場の衛生管理の一環で空気清浄機の据付や、トイレの改修の提案がありました。この2つは、今までも現場から要望が出ていたのですが、『業績が上がったら、何とかする』と言って、なかなか手付かずの状況でした。しかし、そういう報告書が第3者から上がると、A社のTOPは300万円の費用を掛けてトイレ改修と空気清浄機の設置を行いました。これを聞いた現場の責任者は、『自分たちが言っても何もしてくれないけど、まったくの他人が言うと効果があると言うのも情けない話ですね』と言っていました。これだけを聞けば、なにかケチくさい経営者が、他人に言われて仕方なく、職場環境改善をしたように聞こえますが、実態はそうではありませんでした。
普通に考えれば、粗悪な労働環境を放置して、意に介さない経営者はいません。A社の場合、人材、IT投資、設備投資、工場改修、営業所改修などの投資をしなければならない項目が多く、限られた予算なので、優先順位の高い方から、少しずつ実施しているのが現実でした。トイレの件も空気清浄機の件も懸案事項にはなっていたのですが、優先順位が少しだけ下だったのです。それを第3者に指摘されて優先順位が飛び級で上がったと言うことでした。このように、第3者に指摘されて、優先順位が上がると言うのも現実です。
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