2023年 経営環境とコンサルティング市場の大胆予測
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
いよいよ2022年も押し迫ってきました。
毎年、この頃から「来年に向けて、当たるも八卦当たらぬも八卦の来年の経営環境とコンサルティング市場の予測」をしています。
データを駆使したシンクタンクの予測でもなく、市井の情報と自分の感性だけでの予測なので、外れても多めに見て下さい(笑)
ただ一つ言えるのは、「13年ぶりの大不況」が来そうな雰囲気です。
そこにどうコンサルティングをしていくか、どうニーズをくみ取るか、またMAS業務をどう合わせていくしかありません。
1、コロナ融資返済できず、倒産廃業増加
ゼロゼロ融資の返済据置期間が終了し、その返済が始まる中小零細企業が増えます。
据置した分、返済額は増えます。
しかも保証協会経由の金融機関融資の為、リスケしたり返済猶予などを行うと、今後の保証協会保証が難しくなり、金融機関のプロパー融資にすがるしかありません。
しかし、保証協会保証ができない中小零細企業に対して、金融機関がプロパー融資に応じる可能性はかなり低くなるでしょう。
その結果、資金ショートをおこし倒産するか、将来見込みが立たない事で廃業するかの選択をする経営者が増えるでしょう。
2、金融機関の事業性評価、経営計画書評価がよりシビアに
金融機関の低収益構造から地方の金融機関を中心に合併統合、提携の動きが加速しています。
「リスクをとりたくない姿勢」と「事業性評価へ少しずつシフトしなければならない圧力」のジレンマを抱える金融機関は、融資判断の際に「より実現性のある抜本対策の入った経営計画書」「商材根拠のある経営計画書」かどうかをシビアに見ていくでしょう。
従って、「融資可否判断がギリギリの中小零細企業」では、この経営計画書の中身と少しでも進んでいる事実、行動できる保証、それ等を想定した資金繰り表が求められます。
「経営計画書の作成」ではなく、「経営計画書の中身」が大事な時代になります。
3、後継者難で廃業増加
「後継者がいない」
だから良い技術のある企業けど廃業するか、上手い事M&A先があれば売りたい…
統計データでも「後継者不足」による廃業企業は増加の一途。
後継者が「継ぎたくなる企業」にするには、現経営者と後継者が一緒に未来戦略や相続対策を一緒に議論する必要があります。
特に国が進めている「経営者保証解除」も「後継者が継ぎやすい」後押しになるでしょうが、未来戦略で「後継者時代の稼ぐ戦略」や「後継者が経営しやすい人事・マネジメント体制」も大事です。
多くの専門家は「相続対策」に眼が行きますが、同時に「未来戦略」を一緒に作り上げ、モニタリングしていく「経営承継顧問」のニーズは高まると予想されます。
4、ウクライナ侵攻長期化で食品・エネルギー・原料高止まり
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は長期化の様相です。
食品、石油、ガス、工業生産の原材料は高止まりしています。
仮に円安が一段落して円高に振れても、輸入コストが直ぐ落ち着くとは考えにくいですね。
諸外国に比べて値上幅が小さい日本は、インフレ率が少ないようですが、輸入コストの上昇が続けば、さらに原材料インフレになり、生活を直撃するでしょう。
しかし、そのインフレに応じるほど賃金が上がらない状況では、「消費減速」「設備投資減速」も避けられません。
5、 アメリカ、中国の景気失速、国内景気後退
アメリカのインフレが想像以上に激しい事から「景気リセッション」が報道されています。
また中国のゼロコロナ対策が少し緩和しているとは言え、経済成長の足かせや景気減速の原因になっているのは事実。
この両国の景気減速はそのまま、世界経済の減速になり、日本への影響も大きなものになります。
2008年のリーマンショックの時は、「100年の一度の大不況」と言われながらも、体力のある中国の多額の景気刺激策がけん引して不景気の長期化を抑制しました。
しかし、今回はそういう余裕のある国はどこにもいません。
中国も相当ダメージを受けて、どこまで景気刺激策をとれるか分からないし、経済安全保障の関係上、どんどん輸入と輸出ができる状況でもありません。
アメリカと中国経済への依存度が高い日本の輸出系大企業の業績悪化になれば、雇用と税収両面で日本国内も「不況の風」が吹くのは避けられません。
6、賃上げと離職者増加、転職市場激化
物価高から生活者を支援する為、離職者防止、採用有利な為「賃上げ」に動く大企業が増えています。
政府も経団連も賃上げの大合唱です。
中小零細企業では賃上げができなければ、若くて優秀な人材ほど転職していきます。
しかし、業績が伸びない中小零細企業では「賃上げの原資」がありません。
人手不足の折に、今の人材まで転職していけば、事業自体が立ちいかなくなります。
そこで、中小零細企業でも「賃上げ」できる対策をとります。
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また、採用を強化するには、採用Webサイトの改善と求職者が求める体制整備が必要です。
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7、行き過ぎた円安の揺れ戻し
一時150円まで円安ですが、今が136円(12月11日現在)前後で推移しています。
110円前後が「適温相場」と言われた円が一気に150円台に進みました。
その理由は日米も金利格差だったと。
今でも金利格差は変わりませんが、米国の景気後退などで、行き過ぎた円安の揺り戻しはあるでしょう。
但しウクライナ侵攻でのロシアの戦線の拡大でNATOが動くような事になれば話は別ですが。
しかし、円高に動いても輸入コストが少しは改善するでしょうが、総体的に高止まりしている食料・資材原料は大きくは下がらないのではと思っています。
8、景気刺激と経営支援の事業再構築延長、各種補助金制度拡大
令和4年の補正予算で「事業再構築補助金」は2023年度も継続されるようです。
令和3年度1兆1500億円、令和4年度6000億円と2年で1兆7600億円の予算がまだ1兆円しか消化できてない為、令和5年度も7000億円規模の予算らしいです。
徐々に事業再構築補助金の申請数も減少傾向で、採択率は上昇傾向で、何とか補助金を出してビジネスモデル改革をしたいのが経済産業省の思いでしょう。
だから2023年もいろいろ補助金の枠を用意するので、当面補助金コンサルティングは仕事があると思われます。
9、消費財、生産財の断続的値上と景気減速のジレンマ
世界的なインフレや経済安全保障の観点から、輸入コストは高止まりしています。
もしかしたら、更に上昇するかもしれません。
そうすると、断続的に値上する戦略が必要ですが、ここで厄介なのが景気減速が進むと「値上どころから値下げして売るしかない」状況になる事です。
体力のある企業はこの我慢比べでシェアをとるでしょう。
また、強気の商材を持っている所も値上げができるでしょう。
しかし競争力のない商品を持つ中小零細企業は、「売れば売るほど赤字」が常態化する可能性があります。
すると、「これ以上仕事はできない。先の明るさもない」と店仕舞いする業者も増える可能性もあります。
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10、結局事業者数の激減が始まる
これらの理由から、国内の企業数367万社(2021年)から、10%近くが減少すると言われています。
30~40万社もなくなれば、失業問題も大きくなるし、景気は一気に悪化するでしょう。
コンサルタントや会計事務所が顧客としている企業が10%減少するという事です。
しかも景気悪化に伴い、コンサルティング市場もシュリンクします。
会計事務所も小規模事業者が多い事から、顧問先数の減少と顧問料減額もリアルに出てくるかも知れません。
そうならない為にもUSP(独自のウリ)や差別化を進め「あなたでなければならない理由」を今の内の作り上げる事ですね。
2023年は暗い世相見たいですが、必ずそこには「光明を見出し巧者」がいます。
全体の流れに戸惑い、足を止めずに今の「強み」を更に深堀し、市場優位性を出していきましょう。
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