SWOT分析と経営改善計画書の関連

これまで数多くのSWOT分析をしていますが、経営計画書と連動したSWOT分析コンサルティングが結構多いですね。そんな時のSWOT分析と経営計画書の関連性は以下の通りです。

  1. 普通に努力した結果の破局のシナリオを考える
  2. 計画との差額を埋める為に、商材開発・商材付加価値向上のSWOT分析
  3. SWOT分析から生まれた商材に目標個数、単価、売り方の設定
  4. 経営計画書の目標数値の反映

こういう4段階を通じて、経営計画書の目標と現実の差額を埋める「リアル対策」として、SWOT分析を活用していくわけです。

⑴普通に努力した結果の「破局のシナリオ」を考える

この『破局のシナリオ』とは、今、仮に実績が赤字として、来期も再来期も普通に努力したとします。普通に努力とは、今の商材、今の売り方、今の顧客、今の価格、今の体制、今のサービス等を一生懸命頑張るという事です。その結果、どこまで売上が落ちて、原価上昇や価格競争で粗利率が落ちて、「働き方改革」やその他諸物価上昇で、経費がいくら上がるか、を予測します(売上ダウンが3ヵ年加重平均で予測)。すると、今以上に来期、再来期、再々来期は赤字幅が増える事になります。普通に努力しているだけなら、そうなると予測できるわけです。それを『破局のシナリオ』と呼んでいます。

⑵計画との差額を埋める為に、商材開発・商材付加価値向上のSWOT分析

『破局のシナリオ』で算出された経常利益(赤字)と必要経常利益との差額を明確化します。仮に今の赤字が500万円、必要利益が1000万円としたら、その利益の差額が1500万円になります。1500万円分の粗利を増やすか、経費を削減するかを考えます。経費削減は、それほど削減の余地がないケースが多いですね。役員報償を削減したとしても最低限の報酬確保は必要でしょう。

だから、そういう場合、経費削減のみをバンバン指摘するコンサルタントや会計事務所職員は嫌われるし、信頼を失います。では、粗利額で1500万円を増やすには、粗利率アップがどこまで可能か、またはその額を粗利率で割れば、必要売上が出ます。粗利率改善も、決して簡単ではありません。必要な対策が既に実施したはずだからです。

すると売上対策で、既存商品の売価改善や、新商品、新サービス、新顧客戦略などが必要になります。それらを『商材』と呼びます。商材とは、その名の通り、商売の材料です。仮に粗利率が30%の企業なら、必要粗利が1500万円なら、必要売上は5000万円となります。

⑶SWOT分析から生まれた商材に目標個数、単価、売り方の設定

さあ、ここでSWOT分析をします。目標は5000万円の売上対策です。まず、機会や強みから生まれた「ニッチカテゴリー」を明確にし、既存の顧客、既存商品で、売価改善が可能な対策を導き出します。そこには、「機会」のニーズと「強み」が関連しているべきですが、場合によっては「強み」がなくても、「機会」だけでも対策を考えます。既存商品のブラッシュアップや売価改善の対策だけでは、まだまだ足りないはずです。そこで、機会のニーズと強み、又は弱みを掛け合わせた「積極戦略」「改善戦略」から、今の顧客向けの新商材や新規顧客開拓に使える新商材を検討します。弱み克服がなければ開発開拓できない「新商材」は、「改善戦略」に記載します。そして、それに目標単価、個数、売り方を「積極戦略」「改善戦略」である程度、議論します。

⑷経営計画書の目標数値の反映

そういう作業を通じて、新商材の個数、単価、売り方を決めたら、収支計画に落とし込んでいきます。その場合、既存商品、既存顧客での売上と新商材での売上科目を分けた方が考えやすいですね。新商材やブラッシュアップ対策で、初年度の目標がどうしても少ない場合があります。しかし、それは現実なので、そのまま記載します。そして、3年以内の目標利益以上になるような目標を設定します。

新商材やブラッシュアップ対策により、初年度赤字幅の維持、2年目トントン、3年目目標利益という具合に、「3年間で業績形態を変えて見せる」という事です。しかし、それでは融資が難しいというなら、初年度にトントンになるような経費削減、効率のアップ対策を盛りだくさん書くしかありません。「できないと分かっていても、そう書かないといけない」場合もありますから。

⑸構造改革を経営計画書に入れる場合

これ以外にも、初年度にあえて売上を落とす計画を立てる場合があります。それは、「致命傷回避撤退縮小戦略」から、粗利率や営業経費を圧迫している商品、顧客を切り、強みのある商品や顧客に重点展開する場合です。その場合非効率経費も削減します。但し初年度はなかなか経費効果が出ないので、赤字幅が拡大し、売上だけ減少する場合があります。但し、2年目以降に新商材の貢献やリストラ効果による経費の縮減が現実化すれば、利益は出しやすくなります。恐らく、その場合は業績構造改革になっている筈です。「減収増益スタイル」です。

 

こういう経営計画書こそ、実際の経営計画であって、その根拠商材づくりにSWOT分析を活用する事をお勧めしたいと思います。


ある観光ホテルで、「金融機関」からの依頼で、SWOT分析を活用した経営改善計画書を作成しました。ここでのSWOT分析がまさに新商材戦略重点の経営計画書です。固有名詞は消していますが、この実例は、今後SWOT分析を使って経営計画書のコンサルティングやアドバイスをする際の、模擬実例として、企業経営者に説明しやすいと思います。

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ある観光ホテルでの「SWOT分析を使った経営改善計画書実例」ノウハウ

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