仕事はできるが言い方がきつくて若手を潰すベテラン看護師
ある日、有能な若手の看護師が「辞めたいんですけど」と師長に相談してきました。「どうして?」と師長は聞きましたが、思い当たる節はありました。それは、かねてから問題職員と言われていたベテラン看護師の存在です。そのベテラン看護師に悪気があるかどうか、分かりませんが、とにかく言っている事は決して 間違っていません。ただ言い方がきついのです。それで、今までも多くの若手職員が潰れていきました。こんな事例はどんな病院にも介護施設にも良くある事でしょう。
私たちが人事システムを入れて施設や病院で、人事考課の訓練や評価者面談を一緒に 行うと、管理者の相談事として「こんな場合、どうしたらいいんでしょうか」と良く尋ねられます。
このベテラン看護師が間違った事をして問題行為をしているなら、それは懲罰行為ですから 厳正に処分できますが、言い方の問題と人格の問題を、即懲罰行為に適応するわけには 行きません。そこが、難しい問題なのです。
しかし、放置しておけば、採用も難しい状況で今後も若手職員が離職するような状況は看過 出来ません。そこで、私たちが指導しているのは以下のことです。
- まず、上から一方的に「あなたの責任で若手がまた辞めようとしている。態度を変えてほしい」 と直球で言えば、相手は心外であり、逆上する可能性もある。
- 精神的被害を受けた職員の実名は伏せて、「職員が辞めたいと言っている。思い当たる節は あるか。」と、一つ一つそのベテランにかかわる事を本人に言わせる。
- ポイントは相手を責めずに、「何故そういう言い方をしたのか」「その言い方の時、若手はどんな 思いだったと思うか」「自分のどこに改善の箇所があるか」等、こちらから、答えを言わず、その人 に考えさせる。
- 要は、こういう人間関係的な問題は、「事が起こったら、即指導」ではなく、コーチング指導をしな がら、本人に一つ一つ考えさせる機会を与えることです。
それでも、「私は悪くありません。悪いのは若手だから指導したまでです」と自己主張するようなら、 配置転換も考慮しなければなりません。また同時に若手にも、どういう考え方で問題のあるベテラン に接するかを指導しなければなりません。子供のいじめと違い、「正しいことを言っているのに、自分が悪いと言われた」と被害者意識を持つ 場合が、こういう場面です。決して、ベテランだけが一方的に悪いとは言えない事も多々あります。だから、ベテランも離職したがっている若手も同時に「現象面ではなく、どうしてそうなったのか」「どうして そう言われたのか」を論理的に考えさせる事が重要だと思います。部下の感情論だけに流されない、冷静さが管理者には必要だという事です。
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