アドバイスし続ける苦痛

以前、「プロコンサルタントにはカタがある」というお話をしました。反面「教えたがりの知識提供型のコンサルタント」には、あまりカタがないようです。そして、「教えたがりの知識提供型のコンサルタント」は、実はアドバイスし続ける事で苦痛になるという事実もあるのです。

1、いつもアイデア、情報を言い続けると期待するクライアント

そのコンサルタントが、毎回訪問するたびに新たなアイデアや知恵、情報を提供しているとします。いつの間にか、「新情報を提供してくれるコンサルタント」という認識と期待が、クライアント側に生まれます。そうすると、コンサルタントはそれがノルマになり、アイデアや情報を供給し続けなければなりません。

もし、アイデアや新情報のないコンサルティングが続くと「最近、先生は新しい情報がないですね」と不満を言うかもしれません。実際に、新情報のみを期待するクライアントは「新情報を聴く事が目的」になっていて、一番大事な、実行する事、咀嚼する事、以前の具体策のモニタリングする事をなおざりにしています。だから、そういうクライアントは業績が上がりません。

2、新情報、アイデアを追い続けるとクライアントも虻蜂取らずに

新情報や斬新なアイデアは、それだけで魅力的なものです。何とか現状の打開を考えている経営者や、行き詰りを感じている経営者なら、新たな事に飛びつきやすいものです。しかし、新しいモノに飛びつきやすい経営者に限って、次から次へと新情報を食い散らかしながら、浅い取り組みをするので、なかなか成果が出ません。現場の幹部や社員も「また、社長が変な事を始め出した。現場はドンドン混乱するばかりだ」と不平や愚痴を言います。

全てが中途半端な行動になってしまい「虻蜂取らず」の状態で、忙しいけど、成果がでない状況になっていきます。場合によっては「いつも新情報をもたらしたコンサルタント」に対して、「あまり余計な事を、うちの社長に吹き込まないでくれ。現場が大変なんだから」と不満を持っているかもしれません。

3、たくさんの新情報よりも、1つずつしっかり取り組むのがコンサルタント

コンサルタントの仕事は、分析と仮説と検証を繰り返し、「勝てる具体策」の徹底方法を提案し、その仕組みを作る事ですね。実は、この基本的な手法を理解していないコンサルタントが、新情報に眼が行きすぎて、クライアントを混乱させているのです。「1つの事をじっくりと取り組み、その結果、効果がなければ次の対策に進む」これが王道ですが、これは忍耐の必要な事ですね。

ついつい、目立つ手法にドンドン眼が行ってしまいがちです。でも、「現場のコンサルティング」とは、忍耐の連続だと思います。経営顧問契約が10年、20年と続くクライアントの経営者は、この忍耐を持っています。だから、1つの事に取り組んで成果を出すまで相応の時間が掛かるという事を認識しています。長期経営顧問になるのも、その為です。

4、新情報に飛びつきやすい経営者は、短期契約が多い

経験上言える事は、新情報に飛びつきやすい経営者や企業とは、短期契約になりやすいし、突然の解約の結構ありますね。そういう経営者は思い込みも強く、自分勝手な判断も多い「ワンマンタイプ」が多いです。新情報ばかりに眼が行き、基本的な事を軽視し、虻蜂取らずのコンサルタントと経営者がタッグを組んだプロジェクトが上手くいくはずがありません。

だから、欧米で流行した経営管理方法、新たな経営手法、マーケティング戦略をクライアントに提案し、ドンドン手掛けるコンサルタントは、ちょっと心配ですね。

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