ある時、売上のアップダウンが激しいコンサルタントK氏が、安定した収入のコンサルタントS氏に聴きました。「僕は売上こそ、プロジェクトものが多くて300万と200万円があるから、2000万円はあるけど、スポット売上が多くて、いつも受注しないと途端に売上ダウンになってしまう。Sさんは、どうですか？」 

するとS氏はこう答えました。

「Aさん凄いじゃないですか。2000万円の売上は大したものだ。僕なんか毎月150万円がやっとだから1800万円が限界だもの。逆に僕はスポットがないからね。毎月決まった顧問料収入が基本になっている」

K氏は売上こそS氏を上回っていますが、話をする内に、余裕のあるS氏に対して、焦燥感の多いK氏が浮き彫りになりました。

そして決定的だったのが、S氏がこんなことを聞いてきた時です。

「Kさん、来年の売上は見えているかい？」

それに対してK氏

「今年も分からないから来年なんて来てみないと分からないですよ。Sさんはどうなんですか？」

S氏は

「たぶん今年と同じ位はキープできると思うよ。だって顧問料収入ばかりだから・・」

そうなんです、S氏は毎月固定した顧問料収入がほとんどであり、数字が読める訳です。逆にK氏は、JVやセミナーフォロー、紹介など都合よく案件があれば、ドカッと売上が上がるが、それがなければ大幅にダウンしかねない、すなわち「ジェットコースター経営」なんです。

S氏はK氏に聞きました。

「何故Kさんは顧問売上を増やさないの？」

すると、K氏は

「やっぱりプロジェクトものの単価が大きいし、それとずっと同じことをする顧問が苦手ですから。」と。

S氏は続けました。

「僕はKさんのように売上をドーンと増やす事はなかなかできないけど、いつも安定しているから、精神的には楽ですよ。Kさんもやり方を変えたら・・」

K氏はしばらく考え込みました。

そしておもむろに 「そうですね。Sさん、長期顧問継続の秘訣は何ですか？」 と聞いてきました。

長期継続契約がコンサルタント事務所経営の安定化の最大のポイントと言えます。