嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

KPI監査が会計事務所を救う訳とは?

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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これからの経営顧問や、税理士が行うMAS監査の業績向上コンサルティングは「売上利益の結果」ではなく、その行動プロセスの数値目標である「KPI(重要業績評価指標)」が主流になりそうです。

何故なら、このVUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の時代に、売上利益の成長拡大の先行きが見えず、どんな手を打っても業績改善が難しい中小企業が増えます。

だから「売上改善」「利益拡大」「赤字脱却」を請け負っても結果を出せず、クレームやトラブルになる事も増えていきます。

しかも、特別のノウハウやスキルのないコンサルタントや会計事務所が経営指導しても、そう簡単に業績結果が出ない中小零細企業が圧倒的に多い。

今こそ、経営顧問を狙うコンサルタントや中小企業診断士、MAS監査を増やしたい会計事務所は経営支援のスタイルを変える必要があります。

 

1,会計事務所のMAS担当者の本音

MAS(Management Advisory Servise)監査というコンサルティングを展開している会計事務所は多い。

しかし、どこまで効果を出しているのでしょうか?

実際にMAS監査に取り組んでいる監査担当者の声を聴くとこんな声が返ってきます。

  • MAS指導料を別途に貰っているが顧問先の業績改善が進まず、心苦しい
  • 数字が分かる事で最初は予算と実績のチェックだけでも経営者は喜ぶが2年目からマンネリになりやすい
  • 効果を出している税理士のMAS指導の仕方が属人的で他の監査担当者がまねできない。再現性がない
  • 経営計画は作るが、その通り行った試しがなく、いくら予実チェックしても良くなっているという実感がわかない

など。

コンサルタントと同様に「特定のスキルを持ったプロしかできない属人的な要素」が大きく、また推進ノウハウも再現性がない事から、どこかの段階で行き当たりばったりになったり、終始一貫した指導ができない事が発生します。

これでは成果も出る筈もなく、場合によっては顧問先からクレームを発生させるかもしれません。

 

2,MAS指導を受けた経営者の本音

MAS監査を経験した会計事務所の顧問先経営者からもいろいろな声が出ています。

  • 毎月税務顧問料とは別にコンサルティング料を払っているが、会議に参加してアドバイスはくれるが、なかなか行成果と行動に直結しない。
  • 所長がコンサルに来ていた時はまだよかったが、職員に代わって指導品質が下がった。
  • 1年間指導をもらったが、具体的な成果も「見える」カタチの貢献も見えないから、更新はしなかった。
  • 担当者が上から目線の指導で、「何故やらないのか」と詰めるばかりで、当社の幹部から不満の声が出た。
  • 先生のアドバイスや指導の趣旨は分かるが、業界の一般論やあるべき論が多く、当社の実態に即してない事が多い。

何故、このような声が生まれるのか?

本来なら「経営計画書」の予実チェックがベースだから、その経営計画書さえ、数値以外の具体策を詳細に現実を反映して作成していれば、そのモニタリングに不満が出る筈がないのだが。

所が、その経営計画書の内容が、顧問先任せで十分詰めていなかったり、分析不足で空回りしたものだったら、MAS監査でのモニタリングでも、内容がコロコロ変わったり、議論が浅かったりします。

だから成果も出らず、行動変化も起きないので、経営者も不満に思うのです。

 

3,MAS監査の「根拠なき経営計画書」と予実チェックの限界

経営計画書の中身に

●強みを活かした経営戦略になっているか

●明確な商材根拠があるか

●強み商材が製造販売できる論理的な段取りがあるか

●売る為の仕掛け、マーケティング具体策があるか

●どういう行動プロセスで成果を出すか青写真は明確か

これらが計画立案時に十分詰められていれば、その後のモニタリングもそう難しくはないでしょう。

所が、ここの内容が浅い経営計画書が多いのが実態。

特に会計事務所が支援している経営計画書は詳細な数値ありきで、商材や戦略の中身は相手任せ。

当然、毎月のMAS監査で「収支結果と計画との対比、昨年対比」でいくら質問したり、経営者や役員幹部を責めても何の効果も出ません。

「根拠なき経営計画書」と「予実チェック中心」のMAS監査はロジカルではないのです。

いわゆる「詰めが甘い」MAS監査になっているのです。

だから、予実チェックも形骸化したり、未達の場合の議論もいつも同じような言い訳がまかり通り、全然建設的な決定事項が生まれないのです。

例えば

●現場が忙しくて手が回らなかった

●人が退職してその時間が取れない

●人手不足で端からそんな新規の行動が無理

●社員が言う事をきかない  などなど

こういう言い訳を無視してファクトのみで進めるのが「KPI監査」なのです。

 

4,KPI監査で変わる経営者の反応と行動成果

KPI監査とは明確なKSF(重要成功要因)を設定し、その行動プロセスの数値目標であるKPを設定し、その結果と行動内容をモニタリングして、修正行動計画を毎回立てていく支援です。

またこのKSFも3つのアプローチから設定されるので、思いつきや思い込みではなくロジカルな分析によって設定されます。

1つ目はクロスSWOT分析で「強み×機会=積極戦略」から導き出します。

2つ目は各業界、各職種には「業績の公式」というものがあります。それを詳細にひも解いて設定します。

3つ目はボトルネックである問題点・致命傷の課題をピックアップします。

従ってKSFから導き出されたKPIなので、経営者も役員幹部も納得の行動プロセス目標です。

複数のKPIを毎回モニタリングし、成果と新たな課題を見出し、Next行動計画を「5W2H」で決定事項にします。

また、このKPI目標をそのまま賞与評価に入れる場合もあります。

だから、KPIが少しずつ良くなると、それに引き連れて業績改善の糸口やきっかけが増えていくのです。

経営者からすると、いきなり売上利益の結果は良くならないが、中間プロセスがよくなっているという事実を見るだけでもこのKPI監査の効果を感じてくれます。

何故ならこのKPIの成果の延長線上に売上利益があると多くの経営者は分かっているからです。

 

5,KPI監査の3大メリット

⑴ KPI監査は「経営者が自ら気づき、自ら改善行動を出すメソッド」

KPI監査のメソッドのベースが「SWOT分析」「業界の公式論」「ボトルネック理論」です。

すべてがコーチングメソッドを使い「経営者幹部自らが課題の本質と真相を捕まえ、自ら改善の答えと行動計画」を立てる手法。

コンサルタントや士業から指導やアドバイスされて行動するのではなく、自発的に行動改善を図っていくものです。

KPI監査では多様なヒント提供とナッジ理論を使います。

⑵KPI監査は「解約されないMAS業務、長期間続く業績検討会議指導」

「予実チェック」中心のMAS監査はどうしても飽きられます。

しかしKPI監査では毎回、「行動プロセス」に深入りする為、修正行動計画のPDCAが行われます。

しかもファクトのみで行う為、一般的な言い訳で使われる「ヒトの問題」には反応しません。

ファクト中心の監査とそれを議事進行する事で「経営者からなくてはならない存在」となり、関係が長期化する傾向にあります。

⑶KPI監査は「売上3億円以上、従業員20名以上の中小企業が興味を持つモニタリング手法」

多くのKPIは売上改善、粗利改善につながるKSFとKPIです。

そのKPIの目標と実績をモニタリングし、その対策のアクションプランを毎回PDCAを回します。

またそのKPIは時には賞与評価にも反映させます。

こういう事から、従業員が20名以上いて、幹部と言われる人がいろそこそこの中小企業が興味を示します。

零細企業が多いコンサルタント、税理士がもう少し規模の大きい顧問先を開拓したいなら、KPI監査ノウハウは必須です。

 

6,KPI監査ノウハウ電子書籍近日公開

経営顧問やMAS監査を行うコンサルタント、中小企業診断士、会計事務所向けに「KPI監査のコツとフレーム事例」を14ページ(約1万文字)で解説した無料電子書籍を近日中に公開します。

このKPI監査ノウハウの掲載されているものとは、

⑴KGI(重要到達指標)、KSF(重要成功要因)、KPI(重要業績評価指標)の位置づけとポイント

⑵KGI、KSF、KPI体系図で分かる事例(売上5億円製造販売業、個人ダイエットのケース)

⑶経営計画書からKPI監査の進める方法

⑷KPI監査モニタリングシートの書き方と事例

⑸KSFを聞き出す売上・利益10の固有質問のヒントとその解説

⑹ボトルネックから見出すKSFとKPI監査シート

⑺ある印刷会社のKPI監査モニタリングシート事例

 

KPI監査手法を日本で初めて体系化し、コンサルタント、中小企業診断士、会計事務所が使いやすいように普及活動を進めています。

その第1弾として、4月には「本格的経営伴走支援 SWOT分析&BSCを活用したKPI監査の手法と実務」の著書が出版されます。また6月15日は東京神田とzoomで出版記念セミナーを開催予定です。

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