嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

2026.4.14 28年続く長期顧問の秘訣は「発表会」にあり。経営者を動かし、幹部の目を覚まさせるコンサルタントの仕掛け術.

経営計画発表会で会社が動く.jpg

経営計画書を「経営者の孤独な決意表明」で終わらせてはいないでしょうか。

あるいは、コンサルタントとして「綺麗な冊子」を納品することに満足してはいないでしょうか。

私が28年という歳月を共に歩んできた、ある車両製造業の顧問先企業があります。

先日、その「第25回 経営計画発表会」が執り行われました。

四半世紀。言葉にするのは容易いですが、そこにはバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、それ以外にもいろいろな試練もありました。

その幾多の荒波を越え、今なおこの企業が力強く前進し続けている理由の一つが、年に一度、全幹部が「自らの命運」を賭けて言葉を交わす、この発表会の場があるからです。

単なる数字の羅列ではありません。

そこには、その数字を出す為のKGI(重要到達目標),KSF(重要成功要因)、KPI(重要業績指標)そして行動具体策が明確にあります。

 

1. 幹部60名の眼光:主役を「社長」から「現場のリーダー」へ

発表会場を埋め尽くす60名の幹部たち。

その中に、うつむく者や、退屈そうに時計を眺める者は一人もいません。

自部門の計画、他部門の計画をモニターを直視している彼らの視線は真剣です。

それは、発表会の主役が社長ではなく「彼ら自身」だからです。

社長が掲げる大方針を受け、各事業部長が自らの足で登壇します。

前期の痛切な反省を晒し、今期いかにして目標を達成するか。

自らが練り上げた戦略を、自らの言葉で、60名の仲間の前で宣言するのです。

「社長に言われたからやる」のではありません。

「仲間の前で誓ったから、やるしかない」のです。

この役割の転換こそが、PDCAを「管理」から「自律」へと昇華させます。

他部門の計画を深く理解し、互いの背中を預け合う。

この連動性が生まれた瞬間、組織は一つの生き物のように躍動し始めます。

 

2. 「積年の課題」という劇薬:綺麗事を脱ぎ捨てた真実の経営

今回の発表会で、社長はある「劇薬」を投じました。

長年、経営方針に掲げられながら、なかなか達成されず棚上げにされてきた「積年の課題」への直面化です。

往々にして、経営計画は未来のキラキラとしたビジョンばかりを描きたがるものです。

しかし、現場の人間はその嘘を見抜いています。

「どうせ今年も口だけで終わる」——その諦めが組織を腐らせてしまいます。

ですが、今回は違いました。

社長自らが「なぜ我が社はこれを克服できなかったのか」を痛烈に総括し、逃げ道を塞いだのです。

それに応え、各事業部は「理想論」を捨てました。

泥臭く、しかし確実な一歩を刻むための「重点対策」を計画に叩き込んだのです。

耳障りの良い言葉を削ぎ落とし、痛みと共に真実の課題を共有する。

この「直面化」のプロセスこそが、計画に魂を吹き込み、実行への覚悟を醸成します。

 

3. 20分間の激励講義:支援者が「運命共同体」となる瞬間

会の締めくくりに、私は顧問として毎年20分間のマイクを握ります。

今回のテーマは「部下を育てる強みを活かした人材育成」です。

これは単なる理論の提供ではありません。

28年間、彼らの苦悩と成長を見てきた私だからこそ、今、この瞬間の彼らに必要な「言葉の報酬」を届けるための儀式です。

「計画を動かすのは、ツールでもシステムでもない。目の前の部下の強みを発見し、承認し、適切な業務を与える事。強みを自覚した部下は覚醒する」

その言葉が、幹部たちの心に火を灯せればと願い、訴えました。

経営者一人では伝えきれないメッセージを、第三者である専門家が熱を込めて代弁する。

この「激励講義」を通じて、私は単なる「外部の業者」ではなく、組織の未来を共に背負う「伴走者」としての輪郭を刻んでいくのです。

 

4. 長期経営顧問の基準:発表会を「仕掛ける」という付加価値

ここで、コンサルタントや会計事務所の方に問いたいと思います。

経営計画の「作成」を支援して満足してはいないでしょうか。

経営計画発表会の企画、演出、そして推進。この「場のデザイン」にどれだけ心血を注いでいるでしょうか。

私がこの企業と28年もの歳月を共に歩んでこれたのは、単に会計や経営の知識を提供したからではありません。

毎年の発表会という「組織の分水嶺」において、準備を重ね、経営者と共に考え、経営幹部に理解を促す議論をしてきたからです。

発表会という「仕掛け」を軸に、PDCAのサイクルを回し続けること。

この継続的な関与こそが、スポットのコンサルティングを「一生涯のパートナーシップ」へと変えます。

経営者が「この人なしでは、我が社の発表会は成立しない」と確信したとき、顧問契約という概念を超えた深い絆が生まれるのです。

 

この顧問先は市況の悪化等で大きな赤字を経験したこともありますが、それでも差別化と付加価値にこだわり、面倒だが、ユーザーニーズに的確に答える受注生産に果敢に挑戦しています。

 

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