2026.8.25 社内のAI格差を放置する危険性 — 情シス任せで広がるリテラシーの分断をどう埋めるか?

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先日、15年にわたり経営顧問を務めているクライアント企業の経営会議に出席した際、生成AIの活用状況について議論する機会がありました。

その企業では全社ツールとしてMicrosoft Copilotが導入されているものの、現場の実態は深刻な二極化に陥っていました。

感度の高い若手社員は、より高機能なGeminiやClaude、NotebookLMを独自に使いこなし業務効率を飛躍的に高めている一方、大半の社員はCopilotすら触っていません。

社内に情報システム部門を抱えていても、具体的な活用ルールや全社的な学習機会の提供は後手に回りがちです。

その結果、意欲ある個人だけが先行し、組織全体としては「AI格差」が急激に拡大しています。

この状況を「現場の自主性」として放置すれば、業務の属人化やセキュリティリスクを招き、取り返しのつかない混乱につながります。

今こそ経営陣主導で、全社的なAI導入のグランドデザインを描く必要があります。

1,現場で起きている「AIリテラシーの二極化」の現実

中小企業や会計事務所の現場を巡ると、生成AIの活用に関して極端な二極化が進んでいるケースに頻繁に遭遇します。

会社が公式に導入したツールがあっても、自ら情報収集する一部の社員は

「この作業ならClaudeのほうが精度が高い」

「リサーチの整理にはNotebookLMが最適だ」

と、最新ツールを柔軟に組み合わせて成果を出しています。

対照的に、AIに馴染みのない社員層は、標準導入されたツールさえ敬遠しがちです。

仮に使っていたとしても「Google検索の代わり」として単語の意味を尋ねる程度にとどまり、業務プロセスの変革には程遠いのが実態です。

この格差は単なる個人のスキルの差ではなく、日常業務のアウトプット量やスピードの格差に直結します。

同じ時間で3倍の成果を出す若手と、従来の手作業を続けるベテランとの間で業務負荷の不均衡が生まれ、組織内の心理的な分断すら引き起こしかねません。

「使える人だけが使えばいい」という放置姿勢は、組織のチームワークを根底から揺るがす火種となります。

 

2,なぜ情シス任せのAI推進は「後手」に回るのか?

AI推進が進まない企業で共通して見られるのが、「ITのことは情報システム部門に一任している」という構図です。

しかし、情シス部門の第一のミッションはシステムの安定稼働と情報セキュリティの担保です。

急速に進化する多様な生成AIツールに対し、明確な指針や全社研修をスピーディーに提供することは構造的に困難です。

結果として、社内ルールや教育体制の整備が追いつかず、現場主導の「シャドーAI(会社非公認ツールの利用)」が水面下で横行します。

あるいは逆に、過度なアクセス制限によって現場の業務効率化が阻害される事態に陥ります。

会計事務所でも同様の課題が見られます。

所長やIT担当者が慎重になるあまり、実務を抱える職員への研修が後回しになり、結局誰も使わないまま月額費用だけが発生し続ける事例は後を絶ちません。

生成AIの導入は、単なるソフトウェアの追加ではなく「業務プロセスの再設計」そのものです。

情シス任せのITツール導入という枠組みを脱し、経営課題として組織全体を巻き込む体制づくりが不可欠です。

 

3,格差を埋め、全社で成果を出すための「社内導入ロードマップ」

社内のAI格差を解消し、組織全体の生産性を底上げするためには、個人任せの活用から「組織としての標準化」へと舵を切る必要があります。

そのためには段階的なアプローチが有効です。

まずは、社内ですでに成果を出している「先行事例」の棚卸しから始めます。

一部の社員が独自に行っている効果的なプロンプトや活用手順を社内ナレッジとして可視化し、業務別の標準テンプレートとして共有します。

「検索の代替」ではなく、「文章の要約」「ドラフト作成」「データ分析」といった具体的な実務シナリオを用意することが、未活用層の心理的ハードルを下げます。

次に、全社一律の集合研修ではなく、各部門の業務課題に合わせたハンズオン型の学習機会を設けます。

実際に自分たちの日常業務を題材にプロンプトを入力し、業務時間が削減される成功体験を積み重ねることが定着への近道です。

ツール選定においても、Copilotなどの統合環境をベースにしつつ、用途に応じてGeminiやClaude、NotebookLMなどを安全に利用できるガイドラインを明確化します。

ルールと教育をセットで走らせることで、安全性を担保しながら全社のAI活用水準を引き上げることが可能になります。

また、有料版を支給した幹部や社員が3か月間大してAIを使っていてないなら、権利を取り上げ。使おうとする人材に割り振る事でムダなAI費用を削減します。

 

生成AIの導入はITツールの選定ではなく、全社的な業務変革そのものです。

放置すれば格差が広がり続ける課題に対し、経営層が主体となって体系的な導入を進めることが求められます。

RE経営では、貴社の現状やリテラシー格差に応じた伴走型の「生成AI社内導入6か月プログラム」を提供しています。

ツールの選定から実務直結のプロンプト構築、社内勉強会の立ち上げまで総合的に支援いたします。

社内のAI活用や格差にお悩みの経営者様・DX推進担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

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