「こんなはずじゃなかった」と後悔した2人のコンサルタント起業者
ここでは、2人のコンサルタント起業者の話をします。1人は「大手コンサルティングファームから独立して、大きく収入減になったコンサルタント」もう一人は、「コンサルタントとしてクライアントの顧問をしていながら、自ら事業を起業し失敗した元コンサルタント」です。この2人は、どこに「こんなはずじゃなかった」原因があったのでしょうか?
1、コンサルティングファームの金看板がなくなると・・・
1人目のケースです。
A君は、有名な上場のコンサルティングファームで辣腕をふるっていました。売上も年間5000~8000万円あったそうです。このコンサルティングファームでも優秀な方でした。年収も1000万円近くありました。そんなA氏が、独立を決意しました。単純計算で、年間5000万円の売上があれば、個人事業主になっても年収は3000万円位はもらえる と計算していたようです。
最初は、大手ファーム時代のクライアントをいくつか引き継ぎました。だからコンサルティング報酬は、大手時代のままですから、かなり高額です。しかし、そのクライアントの契約満了に伴い、新規のクライアントを開拓しなければなりません。ある新規の見込み客に提示した金額は大手ファーム時代の金額でした。すると、「これはバカ高い」と言われ、何件も連続して失注したそうです。大手ファーム時代なら、普通の金額だったのですが。
そうなんです。
A氏は「大手コンサルティングファーム」という金看板で仕事をしていたから、高額報酬にもクライアントは応じただけです。個人事業主のコンサルタントなら、一気に相場が下がります。もし、このA氏が、特定分野の専門家で知名度もあり、実績や書籍も多く出しているなら、高額報酬も可能だったでしょう。しかし、A氏は高い生産性とは言え、個人の評価ではなく、組織の評価による高額報酬だったわけです。
その結果、A氏は「恐ろしいほどの報酬ダウン」で現在、コンサルティングを提供をしています。彼が高額報酬になるには、「ブランディング」を高めていくしかないでしょう。
2、コンサルタントが自ら実業を起業してしまった・・・
B氏のケースは、コンサルティングをしていたクライアントが行っているある事業を専門に行う為に、コンサルタントを辞めて「実業家」になった事です。
そのクライアントが扱う商品は魅力的でしたが、社内のリソースが弱く、なかなか生産性が上がりません。そこで、そのクライアントの経営者から「先生も一口かんで、一緒に儲けませんか」と悪魔のささやきがありました。B氏も、今のコンサルティング売上では生活もギチギチであり、もっと多く稼ぎたいといつも思っていたし、日ごろから親交もあり、信頼できる経営者からの誘いだったので、思い切って乗った訳です。
しかし、傍から見て、コンサルティングしていたビジネスを、自分が直接すると、あまりに思ったように進まない事に驚愕します。なかなか生産性も上がりません。提案してくれた経営者からも「先生、もうだいぶ経ちますが、まだ売上が上がりませんね。」とジワリと厳しく叱責を受けるようになります。焦ったB氏は、他のクライアントや知り合いのコンサルタントへ売り込みを始めます。
すると、知り合いが自分に距離を置いているように見えてきました。これまでコンサルタントとして、お付き合いしていたのに、「物売りをしている営業マン」というイメージが出てしまったのです。当然、結果も出ないし、売上も上がらない。更にもともと多くなかったコンサルティング売上も減った事で、本格的な資金不足に陥りました。そして、彼は再度、本業であるコンサルタントに集中していますが、なかなか収入が増えない状況です。
コンサルタントで実業に成功するケースは稀です。ほとんどのコンサルタントは、コンサルティングはできても、実業の経営者には不向きなケースが多い事を、自己認識すべきですね。私たちは、決してスーパーマンでも、優秀な経営者でもないのですから。
この2人のケースと似たような人を数人知っています。
私が言いたい事は「コンサルタントが本業であり、自分のスキル・ノウハウがブランドであり、男一匹、自分自身の腕と人格で勝負するしかない」という事です。
誰も頼れないし、誰も助けてはくれないという決意が必要ですね。
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