今日は、長年の経営顧問のクライアントの課長係長研修です。
毎年、研修方針に沿ったプログラムに沿って、一般社員から中堅幹部、役員層まで半日研修を行っています。
今年のテーマは「数値でモノを考える」です。
4月5月の一般社員研修では、「数字の見方」を研修し、各自のワークショップで自分なりの数値目標を設定しました。
今回の「課長係長研修」では、「部門間の垣根を超える協力体制を取る部門共同KPI設定」の研修です。
どの部門も自部門の目標の為の頑張っています。
しかし、部門の我を通せば、他部門から不平やクレームが来て、感情的なシコリに発展しまいます。
同じ企業なのに、仲が悪い部門同士って、日々のこういうすれ違いが貯まって、相互不信感になっている訳です。
そこで、どうしたら部門間協力体制ができるかが、一番のポイントになります。
1、相互理解を少しでも進めるコツは「特定顧客に対して議論する」こと
グループディスカッションをする研修は多々ありますが、なかなか本質の議論に突っ込まない型通りのディスカッションが多いですね。
それは、クレームや課題全体をとらえて、問題点や解決策を議論するからです。
そういう議論の結果は、研修での決め事がなかなか実行されません。
そこで、「影響度が大きい」具体的なユーザーや顧客や大口客、問題客の実名で議論する事です。
その固有顧客の話だと、現場に直結しているので、議論が熱を帯びます。いわゆるリアルな議論になるのです。
2、他部門の問題を指摘して、是正策ばかり考えるから、面白くない幹部研修になる
問題解決型研修では、どうしても重苦しい雰囲気が支配します。
それは「責める側」「責められる側」などがあり、議論しながらも自部門のスタンスを守り、新たな仕事が増える事を回避しながら議論するからです。
消極的な具体策ばかりが目立つのは、ほとんどこんなパターンです。
そこで、問題解決型研修を前向きにするには、以下のマジックワードをファシリテーターは常に意識し、参加者に考えさせる必要があります。
それは
「あなたの部門の●●が少しでも、良くなるために、うちの部門はどう協力したらいいの?」
と言う質問です。
これは、「あなたの部門を責めているのではなく、うちの部門がもう少し何らかも協力ができれば、あなたの課題が進めやすくなのでは・・」
と言うスタンスで研修に臨むわけです。
こういう研修だと、明るく、積極的な議論になっていきます。
3、どんなに良い議論でも、数値目標がないと行動につながらない
笑顔で部門間協力の話ができたとしても、それが目的ではありません。
大事な事は、「その議論の内容を行動に移す」事です。
議論を行動につながるには「明確な目標設定」とマネジメントが必要になります。
そこで、部門間協力の具体策を共同のKPI(重要業績指標)に入れ込みます。
このKPIはある課題解決のために各部門が行動プロセス目標を数値化してものです。
その目標を設定したら、それを「見える化」してPDCAサイクルを回していくわけです。
4、大事な事は部門間共同KPIの設定
各部門がバラバラに目標を設定し行動しても、牽制機能もないし、刺激もありません。
そこで、例えば、営業と設計、設計と製造、品証と製造、検査と物流などが話し合い、共同KPIを設定します。
同じスローガンや数字目標を貼り付けし「見える化」、定期共同ミーティングでPDCAを回す事で、互いの情報を共有し、課題の進捗も把握できます。
プロジェクトマネジメントの一環として、部門間共同KPIを推進することも効果的ですね。