前回からの2回にわたり、「問題部下のパターン別対応法」をご紹介しました。
今回はその3回目です。
この2回のメルマガでは、下記の10点の問題部下への対象法を紹介しました。
① 【いちいち細かい指示がないと仕事ができない部下】
② 【分からない事を聞いてこない部下】
③ 【常識知らずで、とんでもないことをしでかす部下】
④ 【いくら注意しても何度も同じ失敗を繰り返す部下】
⑤ 【自分だけで仕事を抱えてしまい、結果的に周囲に迷惑をかける部下】
⑥ 【何を考えているのかつかみどころのない部下】
⑦ 【職場・チームよりまず、自分優先で協調性のない部下】
⑧ 【指示されたことしかやらず、気配りがない為、漏れが多い部下】
⑨ 【仕事の報告、連絡、相談を怠る部下】
⑩ 【自分の仕事の管理さえできない部下】
今回は全15の内の最後の5項目の「問題部下のパターン別対応法」をご紹介します。
第11番目は【職場ミーティングで発言のない部下】
但し、この場合その職員ばかり責めるわけにはいきません。
管理者サイドが『発言しやすい環境』を整えているかが重要です。
例えば、
「部下の返答や発言を否定したり茶化したりしていないか」
「部下が答えやすい質問を投げかけるように意識しているか」
「答えなければならないように指名しているか」
「発言するまで待っているか」
「発言しないと会議が進まない事で迷惑を掛けている事を理解させているか」
管理者がブレーンストーミング手法を学習する事も必要かもしれません。
管理者のスタンスとしては、
「発言しない職員が問題なのではなく、発言を促せない管理者のスキルと姿勢に問題がある」
と認識した方が改善の糸口はつかめそうです。
第12番目は【聴いているふりで、人の話を真剣に聞こうとしない部下】
指示した事を上の空で聞いているのか、後から「あれ、なんでしたっけ」のように聞き返す部下がたまにいます。
この手の部下への一番の指導方法は、指示時に復唱させる習慣を作る事です。
「復唱してご覧」
「○○の場合、どうするんだったかな?」等と、
その場で確認してみましょう。
更に、「今のメモに書いて」とメモを義務付け、更に「今書いたメモを見せて」と書いた内容をチェックしてみます。
ここまですると、この手の部下も学習して、適当な態度は取れなくなります。
第13番目は【やりかけの仕事の途中でも平気で退社したり、段取りもせずに休日を取る部下】
仕事も途中なのに「お先に失礼します」と勝手に退社している事が多い部下には、「業務時間中に何故、仕事が終わらないのか」の理由を真剣に考えさせなければなりません。
「やりかけの仕事のまま退社した結果、どんなに周囲が迷惑したか、段取りがどう狂ったか」を説明し、「そういう事をしたことについて、君はどう思うか」と、迷惑を被った相手の立場にたって考えさせます。
段取りもせずに休日を取り、残ったスタッフが迷惑を受けた事も事実を話し、そのスタッフを呼んで、その人の前で謝らせる事も必要です。
具体的に周囲に迷惑を掛けた以上は、とにかくケジメをつけさせる事が大事です。
第14番目は【職場内会議や集まりにいつも遅れてくる部下】
何回注意しても会議に遅れる部下は、その会議の重要性の認識が低いという事です。
どこかのタイミングで「その部下が参加するまで皆待って、到着したら始める」と言う事も必要かもしれません。(「○君が到着したから、今から始めよう。時間単価にして何万円のロスだ」等と真剣に迷惑な事を知らしめる)
会議の進め方や決定事項の出し方を見直す事も同時にしてみましょう。(会議を重要視していないのは、中身の問題かも知れない。単なる報告会だけや、管理者の独演会なら、遅れても構わないと思う心情は働きやすい)
最後、第15番目は【他人とチームを組ませるとトラブルを起こす部下】
他人と組ませてペアやチームで仕事をさせると、いつも仲間からクレームが出て、「もうあの人とは組みたくありません」と懇願される場合があります。
自己中心的な業務をするトラブル部下から迷惑を被ったスタッフからの悲鳴が、そこにはあります。
放置すればまともなスタッフが精神的に参ってしまい、単独プレイヤーにさせれば本人が楽をするだけであり、業務配分が難しいパターンです。
複数のスタッフから上がったクレームを事実として伝え、
「どうして、そんな声が複数から上がると思うか」
「君の反省点は何か」
と具体的に自己反省をさせてみましょう。
もしかしたら、本人はそんな思われ方をされている事を知らない場合もあります。
また、その本人の思いもしっかり聴かないといけませんが、こういうケースの場合、自分の非をなかなか認めない事が多いようです。
管理者は事実を積み上げて、論理的にトラブル部下の改善ができるように、本人にも考えさせるようにしましょう。
いつの世も、どの職場も人間が働く組織では、トラブル人材はいるものです。
しかし、管理者がそのトラブルから目を背けて、放置したり、できる職員とだけ物事を進めると、必ず後からしっぺ返しが来ます。
粛々と必要なマネジメントに取組み、管理者だけが奮闘するのではなく、他の職員も巻き込んで、問題部下へ対処する事が今、求められています。