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後継者塾講義③ 後継者の焦りが招いた失敗

事業承継後、「早く成果を出したい」「先代社長よりも良い経営をしたい」と思うのは、後継者として自然の事です。

ところが、それが「焦り」に変わると、会社がおかしくなっていきます。

 

① 後継者の焦りが出るポイント…「屋上屋をつくる形式重視の組織改革」

先代社長が創業者とか、有能な経営者だと、後継者は「焦り」の行動が出やすくなります。

先代社長や従業員の手前、「早く結果を出したい」と言う思いが、「焦り」として悪い結果を出しかねないのです。

ありがちな事ですが、結果を早く出す為、後継者は自分が政権に着くと、やたらに組織をいじりたがります。 「実質的な組織よりも、形式的な組織」をつくりがちです。

そして、形式的な組織に有能な幹部を配置すると、どうなるか?

大抵、売上・利益のダウンと固定の増大、

クレームの多発というダメージが発生しがちです。

例えば、営業が1課と2課に分かれているから、1課課長を営業部長に昇格させ、2課の管理もする。

空いた1課長には、係長か主任を抜擢するみたいな事をします。

新たなに営業部長になった元1課長の戦略的な業務と生産性目標が明確なら、まだいいです。

しかし、

「営業部のマネジメント体制をよくする」

「1課と2課の風通しを良くする」 等の「フワッとした目的」の為に、バリバリの課長を管理者のポストに仕立て、まだスキルのない係長か主任を1課長に抜擢するという愚行をします。

すると途端に業績が悪化する企業をたくさん見てきました。

中小企業に「屋上屋の組織」はあまり必要ありません。 皆が生産性部隊であるべきですね。

 

② 後継者の焦りが出るポイント…「顧客の声を聴かない商品開発」

●「この新商品は売れるはずだ」

●「こんな機能がついている商品は他にはない」

●「この商品は差別化できている」

●「この商品なら多少高くても買ってくれる」

このように考えて新商品開発を進めていきます。

ただ、これが先ほどの「思い込みと期待先行」になっていないかという事です。

「本当に顧客はその商品を欲しているか」という事です。

 

これまでもたくさんの顧客のヒアリングやマーケティング調査をしてきました。

顧客が「その商品は良いね」と言っているから、また「その商品、面白いね」と褒めてくれたから、 だから、「この商品はいける」と思ってしまう傾向があります。

しかし、褒めてくれても、その分価格が高い場合は、その顧客評価と実際の購買が一致しない場合が多い事があります。

客の褒め言葉と実際の購買結果は異なる場合があるという事です。

新商品開発には2つのアプローチがあります。

1つは、既存客の要望や悩み、困りごとを商品の付加価値や機能に追加して提案する事(既存顧客視点の開発) もう1つは、顧客の潜在的な悩みがあり、具体的な商品も、市場もまだ出来上がっていないけれど、先鞭をつける事(市場育成の開発) です。

最初の「既存顧客視点の開発」は、徹底した顧客リサーチ(顧客をセグメントして、明確なターゲットを決めないとうまくいかない)が必要ですね。

次の「市場育成の開発」」は元来、中小零細企業には負担が重い開発です。

まだ顧客ニーズが顕在化していないので、市場で認知されるまでに時間が掛かるし、認知度を上げる為のコストも膨大になります。

「思い込みと期待先行」の後継者は、2番目の「市場育成の開発」をいうタイプが多いように思います。

現実の声は、お客様からしか集められないのに・・・

「顧客の声を聴く」とは、大事なWordですが、実際の商品開発において、本当に「仮説と検証」を繰り返し、マーケティングをしながら開発している中小企業がどれくらいあるでしょうか?

もしかしたら、分かっている事なのに意外に少ないかもしれません。

いずれにしても、「思い込みと期待先行」の商品開発はリスクが大きい訳です。

 

③ 後継者の焦りが出るポイント…「第3者のアドバイスを無視した設備投資」

●「生産量を増やし価格を下げればもっと売れるはずだ」

●「ここに出店すれば、この地域の市場を取り込めるはずだ」

●「この設備を最新式に一新すれば効率が上がり、利益が増えるはずだ」

●「この商品の販売代理店になれば、これから儲かるはずだ」

こういう仮説を立てて、既存設備増強の投資や新規投資をする時、第3者から「それは無謀だ。よく考えた方が良い」とアドバイスを貰う事があります。

しかし、「思い込みと期待先行」の後継者は、明確な販売戦略がないまま、

「今しなければできるチャンスが来ない」

とばかりに、見切り発車します。

景気のいい時代、市場が成長している時代なら、設備投資の判断は、資金さえ問題なければ、「経験と勘、度胸(KKD)」で決まっていた事でしょう。

しかし、それは本当に経験に裏打ちされ、設備投資で失敗した場合どういうリスクになるかを、真剣に考えた経営者ならではの事です。

後継者はまだまだそういう責任意識が少ない場合が多い訳です。

だから、設備投資するなら、

「何故それが上手くいくのか、論理的に考え、『勝ちパターン』が見えるまで議論して、設備投資を決定」して欲しいと思います。

 

④ 後継者の焦りが出るポイント…「勝てる戦略のない新規事業進出」

今のビジネスモデルに未来がないと、新たな事業にその可能性を見出す事はよくある事です。

今はどの新市場のどの分野でも「何か儲かりそう」と思えば、一気にその市場で競合が増え、資金回収もできない内に飽和状態になります。

「隣の芝生は青い」 よその市場はいつも美味しそうに見えるものです。

賃貸マンション経営、コインランドリー経営、コンビニ経営等々、 どの市場も、人口減と成熟社会の今の日本においては、直ぐ飽和状態になります。

すると、今後の新規事業進出は、「勝てる市場で、勝てる条件をつくって、投資回収を早める戦略」が大事になります。

それには、全くの新規市場・新規ビジネスではなく、何等かノウハウや顧客が活かせる方(シナジー・相乗効果がある)が可能性は高くなります。

しかし、そういう具体的な戦略を深く議論せぬまま、「とにかく新規事業だ」と進出すれば、大変大きなダメージになります。

 

⑤ 後継者の焦りが出るポイント…「顧客メリットより社内対策を優先したIT、人事制度、管理強化」

後継者が中期ビジョンや将来像を考えると、市場戦略よりも、社内体制に重点を置いたビジョンを言う方がいます。

●組織を変える、

●人事制度・賃金制度を変える

●ITを導入する

●管理を強化する   等々

これは確かに大事な事でしょうが、「顧客戦略」以上に大事だとは思えません。

顧客に評価されてこその経営です。

競合に勝つのも、顧客評価次第です。

ならば、後継者が立案する「ビジョン」は、顧客メリットや顧客に対する商品戦略、市場戦略、価格戦略などをベースにしていくべきです。

それに対する具体性を立案し、従業員にも「ビジョン」を理解させるべきですね。

管理対策ばかりで、未来があるビジョンにはなれない訳です。

 

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