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これまで、SWOT分析をコンサルティングする時、先ず「機会分析」。
その後、「機会分析」から生まれた、ニッチ戦略や今後の可能性に使える「強み分析」を行う をベースにしてきました。
今後も基本は変わらないと思いますが、SWOT分析の目的や業種、経営資源に内容によっては、「強み」を先に行い、その後に「機会分析」の場合もあります。
その判断の違いや、対応はどうすべきか、考えたいと思います。
1、「強み」優先議論の危険性
①「強み」が「良い点」と混同され、ムダな議論が多くなる
これは、以前から指摘されている事です。
「強み」とは、今後の可能性やニーズ、ニッチ市場やニッチカテゴリーに直接使える経営資源が「強み」です。
しかし、「良い点」をどうしても挙げたくなるのが人情です。
「良い点」は、褒められるけど、直接は儲かりません。
しかし、「良い点」は、それを継続する事でいずれ業績に反映されると主張される方もいます。
その通りですが、やはり理論的には直結しません。
だから、「良い点議論」ではなく、「強み議論」が大事な訳です。
②「強み」が先行すると、「強み」に合わせた「機会」を無理やり帳尻合わせする危険性がある
SWOT分析の仕組みで考えると、仮に「強み先行」でいくつかの議論をします。
すると、こんな心理が働きます。
●「その強み」が活用できる、武器になる市場はどこか?
●「その強み」を活かそうとしたら、今の関連分野にはない場合、新規分野でどこかないか探す
●「その強み」が使える市場の捉え方が大きくなり、レッドオーシャン(血みどろの価格競争)市場を目指しかねない
「強み」が使えそうな市場を探して行くわけですが、ほとんどの場合、既に競合状況があります。
どうしても「強み」優先だと、それを合わせようとする「機会」である市場は、ビッグマーケットになりがちです。
③自社の「強み」を過大評価し、市場ニーズや可能性と直接リンクしない「機会」に誘導される危険性がある
「強み議論」を優先していると、何とか少しでも優位性を見つけようと、いろいろな角度から「強み」を分析します。
その事自体は良い事ですが、ライバルとの比較や強みの優位性について、「過大評価の分析」をする場合があります。
過大評価の「強み分析」になる理由は、ライバル状況や市場での情報不足が一因です。
「敵を知らないから、自分の武器がさも凄く見えてしまい、戦いを仕掛ける」みたいな感じです。
そして、多くの場合、末端社員や営業系の社員は他社の動きを知っていますが、権限も発言権もありません。
また、ライバルやニーズの事実を言うと「お前はそんな弱気だからダメなんだ」と叱責されます。
結果、他社の情報を知らない上層部の変な強気の意見に押し切られてしまう感じです。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という孫氏の言葉を待つまでもありません。
「強み分析」が優先されると、起こりうる話です。
2、「強み分析」が優先されるケース
しかし、現実には、「強み優先」で議論されるケースも少なからずあります。
それは、「強い経営資源」を持っており、新規事業分野を探す場合です。
①「強み」の技術力があり、その技術を横展開する「機会」を探す
もし技術力や生産能力、開発力などの経営資源が「強み」として歴然とある場合、その技術力を活かす他の市場や他のニーズはどこかを探す為、後から「機会分析」をします。
「強み」の技術を使い、顧客ニーズからのマーケットイン発想の開発ではなく、プロダクトアウト発想の開発を行う場合があります。
その後、その商品ニーズがある市場を探すという流れです。
本来は、良くない手法だと言われていますが、ありえるケースです。
②狙うマーケットが制約が多く、自由な営業活動ができない場合は「強み優先」
ある特定のマーケットしか営業できず、その市場には制約条件が多い業界。
商標・特許使用による制限、法律による制限、販売地域制約の契約、守秘義務契約、製造委託契約による制限、官需のみ 等々
これらが自社のビジネスにある場合、「機会分析」が難しくなります。
そんなときは「強み」を分解し、その「強み」から、他の市場への展開、新規市場の挑戦などの、「横展開」は必要になります。
すべてが「機会」優先、その後に、その「機会」に使える「強み」分析をするという、固定的なものではありません。
自社のビジネス環境によって、使い分ける事も良いと思います。