リーダー・管理職の評価項目の最終回です。
13、段階的教育の実施
リーダー・管理職の主要業務の一つが、教育です。
しかし現場の忙しさを理由になおざりにしているリーダー・管理職も多数派のような気がします。
段階的教育とは、どんなに忙しくても教育時間と指導方法を工夫して、部下が少しでも業務レベルが上がるよう指導する事です。
そして、自分ばかりがバタバタと働き回らなくても部門が回るようにする事が教育です。
従って、リーダー・管理職が自分ばかり汗水垂らして、忙しそうにしている事は評価されません。
14、権限移譲
権限移譲とは、言いっ放しの任せっぱなしにする事ではありません。
任せた事に対して、部下の状況を把握すべくチェックとコントロールは怠りなくやる事は必須条件です。
しかし、何でもリーダー・管理職自身が首をだし、自分の意見に従わせる事を四六時中やるなら、決して人は育ちません。
適切な権限移譲を段階的に進めて、「実務作業では、リーダー・管理職がかなり楽になった」と実感できるようでなければ権限移譲は進んでいるとは言えないでしょう。
そこが評価のポイントになります。
15、困難な問題の対処
クレーム処理や部門間のトラブルなど難しい問題の処理には、自身が積極的に関与し、部下に幹部としての姿勢をみせているかどうかが基準になります。
面倒な事や嫌な事を部下にやらせて、リーダー・管理職は好きな事をやるようでは、完全なリーダー・管理職失格の評価になります。
16、仕事の配分
仕事の配分とは、「今目の前の業務ができる人のみ、いつまでも過重労働をさせないように手を打っているか」と言う事です。
いつまでも、できる部下に仕事が集中するのは、マネジメントと教育の放置と言う事になります。
特に昨今は、「できる職員から離職する傾向」もあるので、仕事の適正配分のマネジメントができないリーダー・管理職は「人潰しの幹部」のそしりを受けるかも知れません。
17、個別指導
個別指導では、会議やミーティングだけでなく、個人面談を定期的に実施しているかと言う事です。
「部下には誰彼と分け隔てなく、注意、指導を行っており、言いにくい部下にはあまり言わず、言い易い部下ばかりいつも注意するような偏重をしないようにしなければなりません。
個別指導でしっかり部下の言い分を聞き、リーダー・管理職の要望も話しているかが評価ポイントです。
18、人間的なふれあい
人間的なふれあいとは、部下に対してはリーダー・管理職としての「業務上のマネジメント」だけでなく、人間的なふれ合いを常に心がけているかを見ます。
そして、その結果、部下に対して「褒める」「叱る」「注意する」「一緒に喜んで上げる」「一緒に考えてあげる」と言う姿勢と行動があるかが評価の基準になります。
19、方針の伝達
経営者やドクター、上司からの指示命令でも、ただ伝達するだけでなく、真意を咀嚼(噛み砕いて)して分かりやすいよう動機付けしているかがポイントです。
部下からの面倒くさい質問に対しても、部下が納得行くよう説明し、「決まった事だから、理屈を言わず従いなさい」と言った類の半強制的な物言いはしていないかを見ます。
単なるメッセンジャー機能だけのリーダー・管理職は評価が低くなります。
これまで、19項目のリーダー・管理職専用の人事評価項目とその評価ポイントを紹介してきました。
各項目の内容や行動基準は、これらを参考に各病院、介護施設オリジナルで検討される事をお勧めします。
これらのノウハウや実例について、下記URLでデータやケースを紹介しています。
一から作成するより、模範例を参考にした方が良いかもしれません。
http://store.re-keiei.com/byouin-kaigo/001.html
http://store.re-keiei.com/byouin-kaigo/post-1.html