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⑤青果卸小売業のSWOT分析事例と解説

卸部門と直営小売店を経営する青果店 ─ 攻めの経営とリストラを同時実現したSWOT 分析

 


《事業者の概要》
業種・業態:青果店
年商:5 億円
店舗数:3 店舗
従業員数:25 人(パート含む)
SWOT 分析の実施日数:2 日間
SWOT 分析参加者:経営者、役員、卸営業、小売店店長の総勢8 名


 

 卸業が直営店を持つことは、本来はライバルとなる量販店への取引にも影響が出ることから、地方の中小企業では難しいことですが、M 社は、先に小売店を長年経営した後に、ある卸業の企業を引き継ぎ、結果的に複合体になったケースです。この業態は、時代の変化のなかで、生産者→地方青果市場→仲卸→小売(量販店)という従前の取引形態が崩れつつあり、とくに道の駅などの直売所でのシェアが高まりつつあります。また、量販店においても、スーパーの勢力図が変化し、ディスカウントストアがシェアを伸ばしています。卸・小売両業態とも「安い青果を安定的に確保」することが主要課題になりますが、より詳細な現状分析と戦略構築が必要になったことから、SWOT 分析は

  1. 売上アップ対策の立案
  2. 中期経営ビジョンの戦略づくり
  3. 後継者と幹部の意識改革

目的としました。

 自社の「強み」を顧客ニーズにどうマッチングさせるかを深掘り「機会」では、

「生産者の直取引が今後も伸びる」「スーパーはタイムリーでスピーディな対応があれば、同業者よりシェアが上がる可能性がある」

「高級果物や希少性のある青果は、ネットによる販売が増える」

「地方市場の仲卸が業績不振で倒産撤退するので、財務力があればM & A でシェアが伸ばせる可能性がある」「スーパー以外の流通チャネル(ドラッグストア、ディスカントストア、ホームセンター、直売所、道の駅、農家直売)が増えるので、その仲介機能を持てばチャンスが拡がる」

等があげられました。ネット販売ではそこそこ結果を出していたので、それは今後も拡大するだろうという判断のほか、今後、スーパー以外の販売先が台頭してくることが予想されるので、いかにその業態への仲介機能を持つかが重要な仕掛けであると考えました。また、仲卸の倒産廃業の情報が徐々に増えているので、これは「チャンス」と判断しました。「強み」では、「ネット販売では、すでにある程度の売上があり、先行している」「地方市場でのバイイングパワーがある」「青果の一次加工品の商材を持っている」「販売力のある小売店を持っている」「銀行からの信用があり、資金面での心配がない」などがあがりました。

クロス分析:卸、小売、ネット販売の個別対策を検討


 「積極戦略」では、
「携帯メールを使った市場情報のいち早い提供サービスシステムの確立」
「果物だけでなく、ネット販売の取り扱い商材の拡大」
「小売店では、野菜の調理レシピの設置や花商材の拡大」
などが具体策として提案されました。他の同業仲卸よりも一歩抜きん出るには、情報提供の速さが必須という認識から、バイヤーや店舗の売り場担当者の携帯電話のメルアド取得を急ぎ、活用するようにしました。
最初は営業担当がそれぞれ行い、毎月の営業会議で「いつ、誰に、どんな情報を、どう送ったか、そしてどんな反響があったか」を確認するようにしました。その結果、一部の店舗担当者からかなり重宝がられたといいます。ネット販売では、高級果物だけでなく、野菜の組み合わせセットや地域特産の商品バリエーションを増やすことで売上倍増計画を立てました。小売店では、スーパーでもやっているような野菜調理レシピを設置することが決まり、さらに野菜と一緒に生花を買うお客様が多いので、花の商品拡充も図ることにしました。

 「致命傷回避・撤退縮小戦略」では、「市場に出していない生産者とのパイプづくりによる商品の安定供給」が喫緊の課題となりました。小売部門では、立地が悪く、今後、改善対策を講じてもよくなる見込みがないという店舗の閉鎖を決定しました。これはその後、二転三転しましたが、最終的には閉鎖されることになりました。

 「改善戦略」では、今から仕込む戦略として、「ドラッグストア、ホームセンターの駐車場でのテント販売の仕掛け」「ネット販売をさらに伸ばすため、SEO 業者との契約」「県外卸とのネットワークや新たに買いつけできる市場の開拓」などがあがり、中期経営ビジョンとして決定しました。その後、これらの戦略や対策を実施した結果、実際に県外の卸市場の資格も取得し、商品の欠品リスクやバリエーション、時期ズレ対策にも対応できるようになりました。

 ★本ケーススタディにおけるSWOT 分析のポイント
 ① 卸、小売、ネット販売の多角化経営について、それぞれでSWOT 分析を実施
 ② 各部門の相乗効果があれば検討するが、ない場合は独立して検討
 ③ 昔ながらの業界で機会や可能性を見つけるには、「タラレバ」で議論する

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